将棋備忘録

殴り書きの備忘録なので、読みづらい点はどうかご容赦を!

将棋備忘録の人気ブログ記事

  • 【minor戦法】村田システムから新・村田システムへ(その1)

    非・角交換への回帰 どこかでも述べたが、現代将棋のキイワードは、「角交換」。 振り飛車すら角道を閉ざさない。 現代将棋の申し子である藤井聡太七冠の得意戦法が、「角換わり」というのが象徴的だ。 しかし、打倒藤井七冠を真剣に考えるトッププロの中に、彼の長所を封じ、自分の長所を生かすため、角交換を避け、... 続きをみる

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  • 【雁木vs早繰り銀&棒銀】

    二つの雁木 "雁木"は階段状の建築物がもともとの意味だった 江戸時代に檜垣是安が考案した雁木は"対振りの矢倉早囲い+引き角"の構えであり、現在の雪よけ屋根を模したとされる"雁木囲い"は戦前に木村義雄名人が高勝率を挙げた"木村不敗の陣立"が元ネタ。(google先生による) 矢倉引き角(旧型雁木)が... 続きをみる

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  • 【相掛かり】UFO銀はなぜ消えたか?

    昭和の「宮坂流棒銀」が平成の「UFO銀」 続きをみる

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  • 【相掛かり】君は知っているか?鎖鎌銀戦法を

    鎖鎌銀戦法とは 「剣聖」宮本武蔵が戦った相手の中で、鎖鎌の使い手、宍戸梅軒は印象深い。 鎖鎌は、宍戸梅軒が考案した武器で、殺傷能力が高そうだ。 その鎖鎌の名のついた戦法がある。 下図がそうだ。 6三にいた銀が、5四に腰掛けるのでなく、△7四銀と出たのだ。 鎖鎌銀戦法の名付け親は、故加藤治郎九段。 ... 続きをみる

  • 【minor戦法】袖飛車アラカルト

    謎の羽生式袖飛車 羽生の名がついた戦法。 しかし、羽生が指したのは一局だけ・・・ 豊島将之八段(当時)相手の第89期棋聖戦第三局で羽生棋聖(当時)が採用した。 当時羽生は、後手番で五連敗中、4手目△7二飛の新構想に連敗脱出を託した。 単に△7四歩だと十字飛車の筋があるので、先に△7二飛と改良したも... 続きをみる

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  • 【相掛かり】▲3七銀(早繰り銀)

    ソウタの▲3七銀 浮き飛車か引き飛車か 続きをみる

  • 【角交換振り飛車】(その3)地下鉄飛車対策

    地下鉄飛車 流行の対策 角交換振り飛車破りの決定版としてよく地下鉄飛車が採用される。 北島本に詳しい。 一歩入手が大きい この戦型は、歩を手持ちにする価値が大きい。 例えば下図で一歩入手すれば▲2四歩△同歩▲2三歩という攻めが利く。 後手が歩を入手しようと△3五歩とするのは▲4五歩と反発されてうま... 続きをみる

  • 日本人が理解していないキリスト教の怖さ

    日本人の宗教観は鷹揚だ。 初詣は神社へ行き、結婚式は教会で行い、葬式は仏教だ。 しかし、それは日本だけの価値観。外国は違う。 宗教、特にキリスト教を知らなければ外国人の考えを理解することは難しい。 日本人が宗教の怖さを理解していないのは、合理主義者、織田信長が打ち破ってくれたおかげだ。 イスラム世... 続きをみる

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  • 【角換わり】先手早繰り銀

    角換わりの三すくみ関係 角換わりの定跡書では、「腰掛け銀」「早繰り銀」「棒銀」の三すくみ関係が解説されている。 「腰掛け銀」は、「早繰り銀」に強いが「棒銀」に弱い。 「棒銀」は、「腰掛け銀」に強いが「早繰り銀」に弱い。 「早繰り銀」は、「棒銀」に強いが「腰掛け銀」に弱い。 その中で、「棒銀」は「腰... 続きをみる

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  • 【対振り飛車】急戦(その1)~四間飛車

    右銀急戦 船江が新発想の▲3一飛~▲3四歩で快勝  船江vs都成(王将戦)から取材。 下図の局面は、先手の船江が▲7七角と途中休憩したため一手損になっている。 手損の意図は不明だが、5五の銀は好位置なので先手が成功といわれていた形。 昔、塚田泰明九段が得意としていた。 △2五銀では、△2七角という... 続きをみる

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  • 【角換わり】後手早繰り銀&棒銀

    新型角換わりの天敵か? 角換わり最新形の一段飛車+4八金型に対して、シンプルな速攻で優位に立とうと、2016年頃からアマ大会で大流行したのが後手早繰り銀戦法。 先手の望む相腰掛け銀の戦型を外し、自分の土俵で戦うことができる有力な作戦だ。 プロのタイトル戦においても中村七段の鋭手△3五歩によって脚光... 続きをみる

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  • 【相掛かり盛衰記】▲3七桂型~腰掛け銀は終わった?

    狙いの▲3三歩 塚田vs及川 まず相掛かり▲3七桂型の基本的な狙いから さりげなく▲1六歩と△1四歩を交換するのがポイント。 ▲2四飛と走った時の△1五角を消しながら将来の端攻めを目論んでいる。 先手の塚田泰明九段は、△4四角のラインと横歩取りを防ぐため、▲3五歩と突き捨てて▲3七桂と跳ねた。 相... 続きをみる

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  • 【横歩取り】青野流対策

    名人戦で現れた青野流 図の△2六歩が目新しい手。 それまで△7六飛(長岡新手)▲7七角を入れてから△2六歩と垂らす順が定跡とされていた。そこから▲3八銀と受けて先手の勝率が良かったが、さらに受けずに▲8四飛でも先手が指せることが発見され、長く後手の課題となっていた。 このタイミングの△2六歩(図)... 続きをみる

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  • 【minor戦法】嬉野流「穴熊にこもっているだけじゃ見えない世界がある。」

    アマチュア発祥の戦法が升田賞に 将棋は記憶ゲームじゃない。 ・・・将棋には無限の可能性がある。自分さえ納得していれば何を指してもいい。もし負けたとしてもすべて自分の責任。それが将棋のいいところ。 (嬉野宏明さん) 嬉野流(うれしのりゅう)は将棋の戦法の一つ。アマ強豪の嬉野宏明が開発し、元奨励会三段... 続きをみる

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  • 【ゴキゲン中飛車】クロスファイア対策

    郷田流▲3七銀⇒超速⇒クロスファイア 里見女流四冠の△5六歩~△5四桂 ゴキゲン中飛車に対して最有力といわれている「超速▲4六銀戦法」。 中でも△4四銀の対抗(対向)形に対して先手が二枚銀を繰り出す形は、「クロスファイア」と名付けられ、ゴキゲン中飛車の強敵だ。 「クロスファイア」の出現によってゴキ... 続きをみる

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  • 【三間飛車】トマホーク・かなけんシステム・下町流他

    三間飛車新時代 振り飛車に対するAIの評価が低い。 飛車を戻しなさいと候補手に挙げるくらい評価が低い。 居飛車穴熊に苦しめられた上にこの評価、まさに振り飛車受難の時代だ。 だが、プロでは振り飛車党の新四段も誕生している。 2017年当時で言えば、杉本和陽四段と山本博志四段。 この二人は共に三間飛車... 続きをみる

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  • 【minor戦法】菜々河流向かい飛車・阪田流向かい飛車・△3三金型三間飛車

    菜々河流向かい飛車 バーチャルユーチューバー菜々河れいさんが編み出した『菜々河流向かい飛車』。 阪田流は相手が角交換することが必須条件だが、菜々河流は必ず向かい飛車にできる。 黒田五段は、菜々河れいさんの中の人と交流があり、この戦法を知った。 まず、対千葉戦(朝日杯)で菜々河流を披露したが敗れた。... 続きをみる

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  • 【ゴキゲン中飛車】アラカルト

    ゴキゲン中飛車のルーツ 図の局面が最初に注目されたのは、塚田正夫 対 木村義雄(名人戦:1947年)だった。 当時は図から△5五歩とするのが定跡だった。 図からの指し手 △5五歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △3二金 ▲3四飛 △5二飛 ▲2四飛 △5六歩 ▲同 歩 △8八角成 ▲同 銀 △3三... 続きをみる

  • 【極限早繰り銀】アラカルト

    先手早繰り銀 最近見直された指し方 初手からの指し手 ▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △3三角 ▲7六歩 △2二銀(△4二銀) ▲4八銀 △3二金 ▲3六歩 △8四歩 ▲3七銀 △8五歩 ▲7八金 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲6九玉 飛車先を早く決めるのは最近見直された指し方。 途中の▲4八銀で... 続きをみる

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  • 【ノーマル四間飛車 鈴木システム】(その3 急戦)

    二刀流 鈴木大介 将棋と麻雀 B級2組所属のプロ棋士でありながら、雀士としてМリーガーでもある、二刀流鈴木大介。 永瀬八段はじめ、彼を慕う棋士は多く、梶浦宏孝七段という有望な弟子もいる。 片方の麻雀界でも若き頃「雀鬼流」道場「牌の音」で磨いた腕はホンモノで、反射神経で打つ彼のスタイルは、考慮不足を... 続きをみる

  • 蘇った菊水矢倉(相居飛車ミレニアム囲い)

    菊水矢倉の優秀性 菊水矢倉は昭和20年代に「日本一の攻め」と称された高島一岐代が考案し、出身地河内八尾の偉人・楠木正成の家紋「菊水」にちなんで命名した。 アマチュアでは鈴木英春さん、女流では矢内理絵子女流五段などが使い手。 ▲8九(△2一)玉型は、角筋を避けていることが一番の長所。 居飛車振り飛車... 続きをみる

  • 【一手損角換わり】早繰り銀

    スペシャリストが多い「一手損角換わり戦法」 柔軟な発想 「一手損角換わり戦法」は、昔、伝説の阪田三吉が指した棋譜も残っているが、「不倒流」淡路仁成九段が試み、「新手メーカー」青野照市九段が佐藤康光とのA級順位戦で採用してから相居飛車後手番の有力戦法のひとつとして認められるようになった。 先手番での... 続きをみる

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  • 【ノーマル四間飛車 鈴木システム】(その1)

    ▲6六銀(△4四銀)型 横山友紀新四段の四間飛車 振り飛車に対するAI評価値の低さにもかかわらず、ノーマル四間飛車党の横山友紀新四段が誕生した。 四間飛車がいい戦法でなければ厳しい三段リーグを勝ち抜けない。 AIの低評価には懐疑的だ。 四段になってからの対冨田誠也戦(竜王戦)を調べると、途中での評... 続きをみる

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  • 【横歩取り】脇流△3三桂

    横歩取りは△3三角だけではない 脇謙二流△3三桂 △3三桂とする横歩取りは、電王戦FINAL第3局で「やねうら王」が稲葉八段を破るなど、たまに指されていた。 関西の脇謙二プロが得意としていたため、脇流と呼ばれる。   左金は攻め駒 まずは屋敷九段の模範対局をご紹介。 初手からの指し手 ▲7六歩 △... 続きをみる

  • 【変則将棋】王手将棋必勝法

    王手すれば勝ち 王手将棋とは、先に王手した方が勝ちというゲーム。 短手数で決着するので、(学校の休憩時間等)時間に余裕がない時にぴったりのゲーム。 頭が柔らかくなること請け合いだ。 何とか必勝法を見つけたいとネット検索したが、分からなかった。 湯川博士著『おもしろゲーム将棋』という本に王手将棋の解... 続きをみる

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  • 【耀龍四間飛車】

    大橋オリジナル 大橋貴洸六段が編み出した「耀龍四間飛車」。 美濃囲いでなく金無双に組んだのが工夫で、玉形が弱いようだが後の地下鉄飛車などを含みに攻撃力がある。 ちょうど美濃囲いと藤井システムの中間のような感覚だ。 対居飛車穴熊 耀龍四間飛車は、対居飛車穴熊に長所を発揮する。 片上七段が王位戦予選で... 続きをみる

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  • 【角交換振り飛車】(その1)

    令和の角交換振り飛車対策 角交換は嫌った方が負け 「角交換」が、将棋を変えたキイワードである。 大山康晴15世名人の全盛期は、角交換をしないことが暗黙のルールで、遅くとも5手目までには角道を止め、矢倉かノーマル四間にする時代だった。 大山15世名人だけではない、羽生18世名人が、「矢倉にするために... 続きをみる

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  • 【詰将棋】手筋と詰め上がり形を分類してみる

    捨て駒のロジック 詰将棋では駒を捨てることが多い。 捨て駒によってどのような効果が期待できるのか? ①守備駒が移動する→弱体化・無力化(打歩打開の場合は守備駒の強化)          →玉の退路封鎖          →質駒になる(質駒づくり) ②玉が移動する  →玉を危険地帯へおびき寄せる ③... 続きをみる

  • 【角換わり】△3三金型

    角換わりの序盤に異を唱えた新構想。 初手からの指し手 ▲7六歩 △3二金 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △7二銀 ▲7八金 △8五歩 ▲7七角 △3四歩 ▲6八銀 △3三角(図) ▲同角成 △同 金 ▲7七銀 △7四歩 ▲4八銀 △7三銀 ▲4六歩 △6四銀 ▲4七銀 △4二玉 ▲5六銀 続きをみる

  • 【角換わり】神速▲4五桂戦法(その後)

    先手の$箱戦法 端歩の突き合いが成立要件 別記事『時代は▲4五(△6五)ポン跳ね』で考察したように「神速▲4五桂」が成立するためには1筋の突き合いの有無が大きい。 最初に端歩の突き合いに着目したのは当時名人だった佐藤天彦。 NHK杯で、永瀬拓矢七段を相手に▲3五歩△同歩▲4五桂と仕掛けて快勝した。... 続きをみる

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  • 【居飛車高美濃戦法】

    木村秀利アマの得意戦法 最近、雁木に代わる後手番の作戦として良く見かけるようになった。 どこが発祥地かわからないが、アマチュア強豪の木村秀利さんの得意戦法。 木村さんは「かなきち将棋道場」というチャンネルを持つyoutuberで、ネット対局をupしただけのつまらないyoutubeが多い中、木村さん... 続きをみる

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  • 【対振り飛車】急戦(その3)右四間飛車

    【対振り飛車】急戦(その3)として右四間飛車戦法を採り上げるが、持久戦の変化を含むことをお断りしておく。 要望が多いのか、右四間飛車の本を良く見かける。 最初に右四間飛車戦法に注目したのは、打倒大山に執念を燃やした故山田道美九段。 数多の本がある中、名著『現代将棋の急所』の果たした功績は大きい。 ... 続きをみる

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  • 【角換わり】相早繰り銀

    相早繰り銀は後手良しか? 急所の△5五角 早繰り銀から先攻すると、後手から継ぎ歩の反撃があるのは常識だが、簡単ではない。 下図は、▲3五歩△同歩▲同銀と先手が先攻した局面。 図からの指し手 △8六歩 ▲同 歩 △8五歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 銀 △5五角 ▲3七歩 △2四銀 ▲同 飛 △2三歩... 続きをみる

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  • 【振り飛車ミレニアム】四間から三間に

    三間飛車ミレニアム 斎藤vs佐藤康 ついにA級順位戦に振り飛車ミレニアムが現れた。 指したのは佐藤康光会長。 しかも四間飛車でなく三間飛車だ。 三間飛車ミレニアムの長所は、図のように△6四銀型に組めること。 △6四銀と△7三桂の形は、オールドファンには懐かしい矢倉4六銀・3七桂戦法と同じ。 △7二... 続きをみる

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  • 【相掛かり】「△7四歩取らせ戦法」

    後手の有力な作戦 佐々木大地vs伊藤匠(王位戦) 藤井聡太七冠と同世代の伊藤匠六段が、竜王戦挑戦を決めた。 やっと背中に手が届いた思いだろう。 この二人は、小学生名人戦で、ともに頂点を掴みそこなった過去を持つ。 ここで紹介するのは、2022年2月対局の佐々木大地対伊藤匠(王位戦)。 佐々木大地六段... 続きをみる

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  • 【横歩取り】勇気流対策

    初手からの指し手 ▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △3三角 ▲6八玉 基本図 △5二玉~△7四歩の積極策 ▲5八玉とする青野流と違い△5二玉▲3六歩に△7四歩が成立する。 ▲3七桂... 続きをみる

  • 【minor戦法】右玉(その2)

    右玉攻略の自陣角 角換わり右玉には筋違い自陣角が有効。 升田・高橋・羽生の模範演技を紹介する。 升田図 まずは、「将棋の鬼」升田幸三から。 図は、1966年4月21日22日に福岡市西高宮「萩の宮山荘」で対局された升田vs大山の名人戦でのライバル対決。 升田が「将棋の鬼」と呼ばれたのに対し、大山は「... 続きをみる

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  • 【矢倉vs雁木】

    高見泰地が中村太地にリベンジ 順位戦で中村太地七段の雁木に敗れた高見泰地七段が王座戦で同じ矢倉対雁木の戦型に。 十分に敗局を検討した高見は、斜め棒銀の工夫を見せた。 △5二金に▲3五歩△同歩▲4六銀△3六歩▲2六飛(図)と進んだ。 ▲3五歩を△同歩と取った手では、△5四歩として△5五歩からの攻めを... 続きをみる

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  • 【minor戦法】筋違い角戦法

    頂点で戦われた筋違い角 実力制初代名人・木村義雄 最後の切り札 筋違い角戦法は、先手の得を放棄したB級戦法と言われ、ソフトの評価値も低い。 しかし、かつてはプロの頂点の将棋で主役を演じたことがあった。 無双を誇った実力制初代名人、木村義雄。 名人位が世襲制から実力制に変わってから第1期~第5期まで... 続きをみる

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  • 【極限早繰り銀】角筋不突の早繰り銀

    プロの実戦より 将棋年鑑を並べていると面白い序盤戦に出くわすことがある。 図がそのひとつ。 先手の広瀬八段の角換わり誘導に対し、永瀬七段がそれを拒否。角筋を開けずに早繰り銀にしたのだ。 これも「極限早繰り銀」の範疇なのだろうか? 初手からの指し手 ▲2六歩 △8四歩 ▲7六歩 △3二金 ▲7八金 ... 続きをみる

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  • 【横歩取り】先手横歩取り拒否

    プロ殺しの▲2八飛 アマプロ戦で先手のアマチュアは▲2八飛と横歩を取らず、図の局面が現れた。 もちろんプロはこの変化も承知していて△7六飛と取って自信を持っていた。 以下▲2二角成△同銀▲7七金△7四飛▲8八飛には△8二歩と受け、▲8三歩△7二金▲8二歩成△同銀▲8三歩△7一銀(△同銀は▲5六角)... 続きをみる

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  • 【雁木系対策】腰掛け銀(その1)~右四間飛車・その他

    棋界トップを賭した戦い 第90期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第4局 豊島将之棋聖 対 渡辺明二冠 初手からの指し手 ▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩▲4八銀△3二銀▲6八玉△8四歩▲4六歩 △4三銀▲4七銀△3二金▲7八銀△8五歩▲5六銀△5四歩▲5八金右 △6二銀▲7九玉△5三銀▲3六歩△5二... 続きをみる

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  • 【角換わり新旧対抗】

    「玉は囲うもの」という常識は、角換わりでは・・・ 新型(▲4八金+2九飛)と旧型(△5二金)の大きな違いは、桂馬の安定度。 したがって先手は▲7五歩を絡めて攻める。 図からの指し手 ▲3五歩 △同 歩 ▲4五桂 △4二銀 ▲6六角 △4四角 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛  最初の▲3五歩に△4四歩... 続きをみる

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  • 【矢倉】後手左美濃急戦

    矢倉を終わらせた(かもしれない)一局 従来の感覚では無理攻めにしか見えないこの仕掛けが、意外に有力と分かり、居飛車党の矢倉離れが加速した。 そもそも▲7九角として▲2四歩△同歩▲同角△2三歩▲4六角と角で歩交換した方が手得なのに、わざわざ飛車で歩交換したのは、居角のまま据え置いて後手の攻めに備える... 続きをみる

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  • 駒落ち

    手合い割 プロ相手の駒落ち 1~3級・・・四枚落ち 初~二段・・・二枚落ち 二~三段・・・飛香落ち 三~四段・・・飛落ち 四~五段・・・角落ち 橋本崇載著『橋本流中終盤急所の一手』より 六枚落ち さばく、あるいはサバキ、というのは駒を交換することだけではない。 一つの駒を好所に移動することも、「角... 続きをみる

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  • 【ノーマル四間飛車(持久戦)】井出システム

    対銀冠穴熊 地下鉄飛車と呼ばれる下段飛車はAIによって評価されるようになった。 振り飛車においても美濃に組むより地下鉄飛車を目指す方が有効かもしれない。 初手からの指し手 開始日時:2021/08/10 12:01:58 先手: 牧野 光則 後手: 井出 隼平 ▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四... 続きをみる

  • 【ヒネリ飛車】古い皮袋に新しい酒を注ぐ

    果たして終わった戦法なのか? ヒネリ飛車戦法は、かつては「横歩取り」に対して「縦歩取り」と呼ばれた流行戦法だったが、後手が△3四歩を保留するようになってその名は自然消滅、ヒネリ飛車と総称されるようになった。 「先手必勝の戦法があるとすればそれはヒネリ飛車だ。(ヒネリ飛車最強説)」とまで言われたが、... 続きをみる

  • 【minor戦法】右玉(その1)

    右玉戦法 右玉戦法は、振り飛車と似て非なるもの。 振り飛車は美濃囲いの堅さを頼りに一手勝ちをする戦法だが、右玉は玉の広さを頼りに一手勝ちする戦法。 minor戦法に分類したが、奇襲戦法とは違って侮れない。 特に角換わりでは有力な作戦といっていい。 角換わり右玉 後手番で角換わりになると、左玉から手... 続きをみる

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  • 【先手中飛車】向かい飛車対策の出戻り居飛車

    先手中飛車には相振り? 振り飛車党の多い女流棋士界で、序盤戦法のbreakthroughが起こった。 発震源は里見香奈女流五冠。 「後出しじゃんけん」なんてレベルの話でなく、まずグーを出し、相手がパーを出したら、そこでチョキに変えるという作戦。 先手中飛車に有効とされた相振りに対し、居飛車に戻せば... 続きをみる

  • 【相掛かり】▲3五歩位取り対右玉

    棒銀対右玉 6八玉型:千田翔太vs稲葉陽(NHK杯) 後手の角筋不突を咎めて先手が▲3五歩と位を取った将棋。 圧力を逃れて後手は右玉に。 図の△4二銀では△5四歩なら安全だった。 2筋が薄くなったので、先手は▲2五銀と棒銀に。 △3四歩▲同銀△8八角成▲同銀と進行。 そこで△3三銀としたのが疑問手... 続きをみる

  • 【角換わり】相腰掛け銀 後手番のストラテジー

    三角法の応酬から仕掛けを窺う ▲6九玉の一手ずらしは、▲8八玉型対△4二玉型で▲4五桂と仕掛けようという意味。 対して△4一玉が、相手の出方によって次に△5二玉か△4二玉としようという一手ずらし対策。チェスでいうトライアンギュレーション(三角法)という戦術だ。 ▲7九玉なら△5二玉(下図)、もし△... 続きをみる

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  • 【対振り飛車】5筋位取り

    対四間飛車 将棋ウォーズ配信② 打牌選択が異次元なので『ゼウスの選択』と呼ばれる麻雀プロがいる。 鈴木たろうさんという方で将棋も強い。 対四間飛車で得意の中央位取り戦法があまりにも面白いのでここでご紹介します。 上図が組みあがり。 美しい。

  • 【角交換振り飛車】(その2)

    黒沢怜生五段(当時)の△8二角 本田vs黒沢(第三回アベマトーナメント、チーム三浦「ミレニアム」対チーム広瀬「大三元」)より取材。

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  • 【横歩取り】端攻めのテクニック

    横歩取り戦法、いや「横歩取らせ戦法」と呼ぶべきか。 「内藤流空中戦法」から進化した「中座流」が、試行錯誤の末、再び「内藤流空中戦法」に回帰した。 その間、先手の方にも「青野流」「勇気流」が出現し、果ては横歩を取らずに▲5八玉とする指し方まで現れた。 しかし、古風な中住まい玉の攻略も簡単ではない。 ... 続きをみる

  • 時代は▲4五(△6五)ポン跳ね

    「角換わり」でのポンポン桂 浦野八段vs藤井四段 図は、藤井聡太29連勝した中の3勝目の将棋。 7一の銀が飛車に紐をつけて堅い。 48手という短手数で勝利! 新時代の到来を告げる桂跳ねだ。 斎藤七段vs郷田九段 角換わりの序盤が変わった。 駒の働きが良いと、今まで当たり前に指されていた△4二銀型が... 続きをみる

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  • 【ゴキゲン中飛車】5八金右超急戦

    【△5四銀】ゴキゲン中飛車で行こう 近藤正和著『ゴキゲン中飛車で行こう』から超急戦の対策を押さえておく。 「私は自分の直感を信じ△5四銀と打った。  格言にもある桂先の銀だし、実戦的に良さそうだからだ。」               近藤正和著『ゴキゲン中飛車で行こう』より 対して真田七段は、2時... 続きをみる

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  • 【石田流崩し】▲4六銀(△6四銀)

    棋士への夢を賭けて 折田祥吾アマがついに棋士編入試験をクリアした。若手棋士を相手に3勝1敗の好成績でのプロ入りは素晴らしい。心から祝福したい。 その三戦目の相手が山本博志四段。山本四段は、折田アマが年齢制限で奨励会を退会した時の三段リーグ最後の相手で、その時は折田アマが勝利している。 山本四段の作... 続きをみる

  • 【詰将棋】芸術性を鑑賞する

    不利取駒【流田義夫氏作】  流田義夫作(平成12年3月号)  詰手順 ▲2五桂 △1四玉 ▲1三金 △同飛 ▲同桂成 △同香 ▲1五飛 △同玉 ▲3七馬 △2六飛 ▲同馬 △同銀成 ▲2七桂 △同成銀 ▲2五飛 △1四玉 ▲2三龍まで17手詰 ▲1三金に対して△同香としますと、後に▲3七馬とした際... 続きをみる

  • 【ゴキゲン中飛車】超速・先手中飛車・オッサン流から対振り雁木戦法まで

    後手中飛車 ゴキ中(超速3七銀)  最近の超速対策として注目されているのは、図の△4二銀型。 廃れた△3二金型 △4二銀の代わりに△3二金として▲7七銀に△5六歩▲同歩△同飛と歩交換する将棋がずっと指されていたが、▲6六銀△5一飛に▲3八飛(▲3五歩△同歩▲3八飛)が最新型。△4二銀に▲3五飛(下... 続きをみる

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  • 【角換わり旧新対抗】

    △4二玉+6二金型で△6五歩と仕掛ける千田翔太(チダショー)流の新型が、角換わり戦法を席巻した。 この【角換わり旧新対抗】では、新型チダショー流を何とか攻略しようとした、これまでの旧型の歴史を振り返る。 △6五同銀の変化 初手からの指し手 ▲2六歩 △8四歩 ▲7六歩 △3二金 ▲7八金 △8五歩... 続きをみる

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  • 【minor戦法】村田システム(その2)

    対矢倉△3二銀型 ▲7六歩△8四歩▲6八銀に△8五歩▲7七銀と決め、角頭は△3二金でなく△3二銀と守るのが村田さんのオリジナル戦法。 オールインワンの新戦法 村田システム (マイナビ将棋BOOKS) マイナビ出版 Digital Ebook Purchas 左美濃に囲うのが狙いだ。 下図は、私の実... 続きをみる

  • 傑作将棋小説「覇王の譜」

    長足の進歩だ。 今までの二作、「サラの柔らかな香車」と「サラは銀の涙を探しに」は、あまり将棋を知らない人向けに書かれたような将棋小説だった。 それだけにコアな将棋ファンとしては物足りない面があった。 しかし、今回は作中で言う「将棋の国」住人向けに書かれたもので、これだけ将棋ファンの琴線に触れる作品... 続きをみる

  • 囲碁上達のために

    囲碁と将棋  並列に語られることが多いが、勝敗のつき方に大きな違いがある。囲碁は陣地を奪い合う遊戯なため、負けても奪った陣地の分だけ達成感が残る。しかし、将棋の場合は勝ちと負けしかない。ゼロか百かだ。だから、敗北がとりわけ悔しい。      綾崎隼著「ぼくらに嘘がひとつだけ」より 「旦那の碁、丁稚... 続きをみる

  • 【対振り飛車】急戦(その2)~続・エルモ囲い

    エルモ囲いの弱点を衝け!①玉頭銀で攻略せよ! 竹内五段vs南九段 エルモ囲いは、横からの攻めには強いが、縦からの攻めに弱い。 したがって玉頭銀で攻略したい。  もう一つのエルモ囲いの弱点は、角交換に弱いこと。 ▲2二角成に△同金は壁金だし、△同玉も角打ちを狙われる。 3四の歩がいないエルモ囲いは薄... 続きをみる

  • 【△4二玉型横歩取り】後手飛車先交換型

    青野流対策のBreakthrough 令和の新定跡か? 長い間、横歩取られた後手の選択は△3三角の内藤(梶)流が主流だった。 しかし、最近、図の△4二玉を試みる棋士が現れた。 昭和・平成にはほとんど見なかった令和の新定跡だ。 △3三角型は、青野流が優秀で、角が右桂に狙われる。 それを避けたのが新定... 続きをみる

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  • 【早石田・立石流】定跡と実戦

    升田九段の名角(その1)▲9六角 後手△5二金左型 初手からの指し手 ▲7六歩 △3四歩 ▲7五歩 △6二銀 ▲7八飛 △6四歩  ▲4八玉 △6三銀 ▲3八玉 △8四歩 ▲2八玉 △8五歩  ▲3八銀 △4二玉 ▲7六飛 △8八角成 ▲同 銀 △3二銀  ▲7七桂 △5二金右(図) 初手▲5六歩... 続きをみる

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  • 【一手損角換わり】羽生流右玉戦法

    新境地の羽生九段 羽生九段と言えば、最新の流行形を極めるイメージだったが、最近は、モデルチェンジを図っているのか、独自の戦法を試みるようになった。 最新の角換わり戦法や矢倉では、飛車先の歩を早めに突くようになり、飛車先を保留する価値は低くなっている。それが、時流に逆らうかのように、飛車先保留を狙い... 続きをみる

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  • 【横歩取り】中座飛車最強の敵▲7七角型

    ▲7七角型のRoots 横歩取り中座飛車の最有力の対策とされる▲7七角型のルーツを探る。 大山vs中原 この▲7七角型は、不世出の大名人と言われた大山康晴15世名人が、中原誠八段(後の16世名人)の挑戦を受けた十段戦で披露した横歩取り対策。 ▲7七角型の長所は、▲6八銀と左銀を活用できること。 左... 続きをみる

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  • ソウタの棋(その1)タイトル挑戦までの軌跡

    永瀬二冠との挑戦者決定戦~初のタイトル挑戦 挑戦者決定戦の相手は、AbemaTV「炎の七番勝負」で唯一人ソウタに勝った「軍曹」永瀬二冠。 永瀬二冠は、以前からVSで、藤井七段の弱点を知っている。 振り駒で先手を得た永瀬二冠は、自分の得意な矢倉戦法でなく、相手の苦手な相掛かり戦法を選択した。 下図と... 続きをみる

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  • 【角換わり】△4一飛型

    山崎流△4一飛 角換わりをされるのは後手としては悪くない。 主導権は先手にあるが、どの変化も決定打がなく、結論は千日手と言われているからだ。 そんな中、第二回電竜戦でGCT電竜が採用した山崎流という指し方が注目されている。 今まで後手が△4四歩と突くのは危険とされていたが、△4一飛と組み合わせで後... 続きをみる

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  • 【将棋は歩から】歩切れ

    「歩切れは毛切れより痛い」という米長格言があるように、勝敗を大きく左右するのが持ち歩の有無。 例えば上図。 歩切れでなければ何でもない香打ちだが、先手の急所を衝いた。 初手からの指し手 ▲7八飛 △3四歩 ▲4八玉 △8四歩 ▲3八玉 △6二銀 ▲7六歩 △4二玉 ▲7五歩 △3二玉 ▲7六飛 △... 続きをみる

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  • 【対居飛車穴熊模様】序中盤編

    雀刺し HoneyWaffleという振り飛車に特化したソフトが、フラッドゲートで活躍している。 後手は、左美濃から穴熊に組み替えた。 これに対しHoneyWaffleは、▲1八香と雀刺しを見せた。 次に▲1五歩△同歩▲1九飛と雀刺しを狙った。 先手の指し手が分かりやすい。 トマホーク Millaa... 続きをみる

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  • 【ノーマル四間飛車(持久戦)】藤井システム

    先手藤井システム端歩突き越し型 端歩突き越し+居玉急戦が基本 初手からの指し手 ▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀 ▲6八飛 △4二玉 ▲1六歩 △3二玉 ▲3八銀 △5四歩 ▲5八金左 △5三銀 ▲1五歩 △8四歩 ▲7八銀 △5二金右 ▲6七銀 △8五歩 ▲7七角 △3三角 ▲4六歩 △4... 続きをみる

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  • 【石田流対策】初手▲7八飛戦法は終わった

    端歩の突き合いと△4五角問題 「英春流」という序盤革命

  • 令和に生きる大山将棋

    守りの駒は美しい ―残留を決めた三浦九段戦における、美濃囲いの延命策も印象的でしたよね。 菅井「振り飛車の醍醐味でしたよね。自玉を絶対巣に詰まない形にして相手玉に必至をかける。これが理想の勝ち方です。あの将棋では出ませんでしたが、最後に▲1八玉と寄って一手しのぐような手筋を覚えれば、さらに振り飛車... 続きをみる

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  • 【横歩取り盛衰記】▲6八玉型は危険か?

      横歩取り盛衰記 横歩取り△3三角戦法は、大橋宗英9世名人の「平手相懸定跡集」で紹介されているように相掛かり戦法の一つとして江戸時代からあった。 当時は▲2六飛に△2四歩と受ける指し方だった。 昭和になって「機関銃小僧」梶一郎九段が、▲2六飛に△2二銀と2筋の歩を手持ちにする梶式横歩取り(加藤治... 続きをみる

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  • 【横歩取り】△6二玉型

    ヒネリ飛車風味の△6二玉 森内俊之 九段vs永瀬拓矢 王座(ABEMAトーナメント) 元々振り飛車党だった永瀬王座にとっては、△6二玉型は違和感は少ないかもしれない。 他に振り飛車・居飛車両方指すオールオールラウンダーの黒田堯之五段も△6二玉型を好む。 端攻め 図からの指し手 △9五歩 ▲同 歩 ... 続きをみる

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  • 【横歩取り】△4五角戦法(△2八歩手抜きの▲7七角)

    横歩△4五角テラショック定跡 (他横歩取り超急戦定跡)というページに「横歩△4五角戦法」が丸裸に。 素晴らしい研究をぜひご覧ください。 ショック受ける事間違いない。 かつて横歩取り△4五角戦法を流行させた谷川浩二九段が、先手番で横歩取り△4五角戦を挑まれた時に用いた対策がこれ。(対田中魁秀戦) 初... 続きをみる

  • 【振り飛車穴熊】流行の兆しが

    トーチカ(ミレニアム)囲い トーチカ囲いが穴熊に対して有効と見られていた。 何といっても居飛車側だけ端攻めする権利があるのがうれしい。 玉が端にいないので反動も少なく、お荷物になりそうな桂馬が自然に活用できる。 振り飛車の立場としては、うまく桂頭を攻める展開になれば優位に立てる。 阿部光vs青嶋 ... 続きをみる

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  • 【ノーマル四間飛車 鈴木システム】(その2△5四銀型)

    居飛車穴熊のルーツ 升田の新手だった居飛車穴熊 居飛車穴熊の元祖というと、先日現役引退した田中寅彦九段の印象があるが、彼がまだ10歳の時に、名人戦という最高の舞台で、大山康晴という最高の相手に対して居飛車穴熊を披露したのが「新手一生」升田幸三実力制第四代名人だった。 ▲7八金か▲7九金か? 升田に... 続きをみる

  • 【相掛かり】新・縦歩取り

    出口vs村山 図の△8四飛では△3三金も考えられる。 フラッドゲートで76手まで同じという不思議な対局があり、どちらも後手が勝っている。 ここで▲3一角△4二歩▲2二角成としたが△7六歩▲同銀△8六歩▲同歩△同飛▲8七金に△7六飛が鋭い寄せ。▲7六同金△6七銀以下後手勝ち。 もう一つは、▲7五同歩... 続きをみる

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  • ソウタの棋(その2)~初タイトル獲得

    最年少タイトル獲得(棋聖戦) 屋敷九段の持つ最年少タイトル挑戦の記録を塗り替え、渡辺明棋聖に挑戦。 そして誕生日を3日後に控えた今日。藤井聡太七段が、棋史に新たなページを刻んだ。 初タイトル獲得おめでとうございます。 二冠に(王位戦) 第四局 相掛かり 最年長でタイトル獲得した木村王位に挑戦。 受... 続きをみる

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  • 「刑事フォイル」の時代

    http://www9.nhk.or.jp/kaigai/foyle/ TVドラマ『刑事フォイル』は第二次世界大戦中のイギリスを舞台に 陰惨な戦時中の世界に真正面から取り組んだ好作だ。 シャーロック・ホームズを産んだ国らしい鋭利な推理も見どころだが、 主人公のフォイルの老成した落ち着きと重量感はホ... 続きをみる

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  • 【△4二・5二玉型横歩取り】後手飛車先不換型

    飛車先交換のメリット・デメリット 従来の横歩取り定跡では先手の飛車先交換に対し、後手も負けずに飛車先交換するのが常だった。 後手が歩得するのに自分が一歩もないのでは損だから、当然の姿勢と思われた。 ところが、横歩取りの定跡が進み、先手の青野流の攻めが脅威になったため、飛車先交換を他の手に変えた方が... 続きをみる

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  • 【矢倉】先手左美濃急戦

    藤井vs深浦(2010年7月王座戦) 後手の5三の銀が非常に使いにくい形。 かといって先手陣が居角なので、△6四銀とは指しにくい。 ▲6五歩が角筋を通して幸便。 どうして先手がこんな形に組めたのか? そんな疑問を持たれる方は、下の棋譜をご鑑賞ください。 飛車先交換を許しても、左美濃にして居角のまま... 続きをみる

  • 【矢倉】△6三銀型急戦

    相矢倉は終わった 先手に苦労が多い 矢倉の5手目が▲6六歩か▲7七銀かという「矢倉5手目問題」について、以前は▲6八銀のままの方が中央に手厚く後手からの急戦に対応しやすいと考えられていたが、現在は、▲6六歩は6五が争点になって危険なので▲7七銀がほとんどだ。 つまり、お互いが三枚の金銀で囲い合う「... 続きをみる

  • 【矢倉流中飛車】

    矢倉流中飛車に完璧な対応

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  • 【角換わり新新対抗】後手番パス作戦

    角換わり後手番の後手の手待ち戦略の中で、△7二金~△6二金など、わざと2手かけて△6二金型を作るパス作戦が、先後同型をずらす面白い作戦だ。 角換わりでお互いに同型をどこまで続けることができるかだが、下図がひとつの分岐点。 △4四歩と同型を続けるのは、▲4五歩△同歩▲同銀と攻められた時に受け切る自信... 続きをみる

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  • 【矢倉】米長流急戦矢倉の周辺

    後手の米長流急戦 NHK杯の船江vs千田戦を見た限り 先手矢倉は厳しい感じ。 図の△7五歩 △6四歩と無難な手を選ばないところが流石、千田翔太。 ▲2四歩△同 歩▲2五歩からの十字飛車の筋が気になるが、 △4四角▲2四歩△2七歩という定番の反撃があり ▲同 飛△2六歩▲2八飛なら△6六角▲同 金△... 続きをみる

  • 棋譜(自戦) 編

    野村流ささやき戦術に嵌る   最下位ながら話題のオンパレードだった立浪ドラゴンズ1年目を振り返る 私は今、意気消沈している。 名は伏せるが、推しのプロ野球チームが最下位に陥った上、言語道断なトレードを展開してチームを崩壊させているからだ。 (本人のためには幸せかもしれないが)攻撃の要となる内野手を... 続きをみる

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  • 次の一手

    問題 相掛かり ▲3七桂は疑問手でした。 (便宜上先後逆表示) 王位戦第四局(佐々木大地 七段 vs. 藤井聡太王位)より ノーヒント 棋聖戦第四局(佐々木大地 七段 vs. 藤井聡太棋聖)より 超難問 王位戦第二局(佐々木大地vs藤井聡太王位)より(その1)  この将棋で藤井王位は、▲4五銀に対... 続きをみる

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  • 【将棋は歩から】空気投げの歩

    大山康晴九段(当時)の歩使い 二人の大名人 将棋の駒の中で一番数の多い「歩」。 「歩」をどう使うかによって一局の明暗が分かれると言っても過言ではない。 木村義雄14世名人が無敵を誇っていた時代、読売新聞によって「九段戦」というタイトルが生まれ、大山康晴が初の九段位に就いた。(それまでは八段が最高位... 続きをみる

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  • 【コンピュータ将棋】電竜戦

    DL勢の躍進~第二回電竜戦 今までコンピュータソフト同士の対局はどこか異世界の出来事のように思っていたが、youtube実況で電竜戦を見て、考えが変わった。 人間同士の将棋を日本野球(NPB)に譬えると、ソフト同士の将棋は、メジャー野球(MPB)だ。 棋神同士の戦いは、面白い。 第二回電竜戦で連覇... 続きをみる

  • 【メモ】

    時事 少子化じゃない、少親化だ。(養老孟司) 脳は楽をしたがる。(養老孟司)・・・結論を急がない 「獣医が増えすぎて困るから獣医学部新設を制限する」という理屈なら、弁護士が増えて困るから法学部新設を制限するか?(高橋洋一) 日本は、議院内閣制でなく官僚内閣制(飯尾潤) 中国の台湾侵攻は6年以内(2... 続きをみる

  • 本当に必要な貧困対策は何か?

    もう誰も騙されない ありがたい話だ。 政治家が、お金を18歳以下の国民に「差し上げ」てくれる。 ところでそのお金って誰のお金なの? 私たちが納めた税金? 政治家は、自分の金だと思っているの? 岸田首相の「分配」の正体ってこういうことなの? コロナ禍で事業者は闇金から金を借りてその日を凌ぐしかない状... 続きをみる

  • 【将棋格言】助からないと思っても助かっている

    大山康晴の名言 「助からないと思っても助かっている」は大山康晴15世名人の金言である。 大山名人の受けの名手は数々あるが、代表的なのは、下図だろう。 中原が大山名人に挑戦した名人戦第二局。 絶体絶命に見えた大山玉だが、ここで△8一玉と逃げたのが絶妙手。 不思議なことにこれで受かっている。 私はこの... 続きをみる

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  • 【アヒル退治】

    異様な端角 初手からの指し手 ▲2六歩 △1四歩 ▲2五歩 △1三角 いきなり端角は5五竜中飛車を思わせるが、アヒル戦法のプロローグ。 ひと目角頭が危険なのだが、大丈夫なのか? 図からの指し手 ▲4八銀 △8四歩 ▲7六歩 △8五歩  ▲7七角 △8四飛 ▲6八銀 △7四飛 ▲2六飛 △5二玉 ▲... 続きをみる

  • ソウタの棋(その3)~竜王獲得、四冠王へ

    最強の敵 豊島将之 第91期棋聖戦第二局、ソウタの△3一銀は、棋界を震撼させた。 攻め駒に必要そうな銀を自陣の守りだけに打つのは抵抗がある。 数多のプロ棋士の中で△3一銀が指せるのは唯一人。 「コイツにはかなわない」と、改めてソウタの実力を認めたのだ。 渡辺名人自身も「訳も分からないうちに不利にな... 続きをみる

  • 【対振り飛車】急戦(その4)~三間飛車・中飛車

    ▲4五歩急戦 よみがえる昭和の振り飛車 下図は、加藤vs内藤(第16期王将戦、昭和41年10月1日)。 平成17年(2005年)頃の将棋世界誌に「加藤一二三名局選」が連載されていたが、その最終回(12月号)を飾ったのが、この対内藤戦だった。 当時は名人・十段・王将の三大タイトルの時代で、加藤一二三... 続きをみる

  • 【相掛かり】△7四飛のゆさぶり

    相掛かりが流行する理由は? 将棋の初手は、▲7六歩か▲2六歩か? 最近のプロ将棋は、AIの影響で▲2六歩が多い。 二手目も△8四歩。 振り飛車なんか論外だ。 ▲7六歩や△3四歩の評価が低いのは、突いた歩を狙われるということか? 実際、玉一枚で指導する時、角道を開けてくれないと指し手に困る。 相掛か... 続きをみる