将棋備忘録

殴り書きの備忘録なので、読みづらい点はどうかご容赦を!

【ゴキゲン中飛車】超速・先手中飛車・オッサン流から対振り雁木戦法まで

後手中飛車


ゴキ中(超速3七銀) 


最近の超速対策として注目されているのは、図の△4二銀型。


廃れた△3二金型

△4二銀の代わりに△3二金として▲7七銀に△5六歩▲同歩△同飛と歩交換する将棋がずっと指されていたが、▲6六銀△5一飛に▲3八飛(▲3五歩△同歩▲3八飛)が最新型。△4二銀に▲3五飛(下図)とした形が軽く、最近は後手が避けている。

最新の△4二銀型

このように△3二金型は▲3八飛とされた場合に目標になるので△4二銀が注目されるようになったわけだが、△4二銀の瞬間△4二角がないので▲4五銀が後手にとって嫌な変化。
▲4五銀に△5一飛と軽く指し、▲3四銀に△4四角▲2四歩(▲4五銀△5三角!)△5六歩と捌く順や、▲4五銀に△3二金として▲3四銀に△2二角と△4四角の両方の手段がある。順番に研究していきたい。
なお、△3二金に▲3四銀のところ、先手の捌きを警戒して▲6六歩(佐藤康光新手)も有力。▲3四銀はいつでもできるので、先に▲6六歩とか▲7七銀とかで備えておくのが本筋と思う。



△2二角の変化

△2二角は、藤井聡太vs永瀬拓矢(炎の七番勝負第2局)で藤井四段が敗れたので注目され、女流戦でも出現した。

昔から指されていて、上図の▲3五歩に代えて▲2五歩の新手で快勝したのが確か森内九段だったと思うが、金井vs久保(NHK杯)の△3一金が好手で廃れた。
図から△3三歩として飛車交換するのが定跡。
以下飛車の打ち合いから後手は竜を作ることに成功するが、角が負担だ。

図の局面から△4四竜として次の△2四歩を狙うのは▲2四歩で後手不利。
そこで△5六歩▲同歩と角を使いやすくしてから△4五竜として▲2四歩に△3四歩と角の捌きを狙ったのが永瀬六段(当時)の工夫。藤井四段(当時)は▲5五歩としたが△2四歩から負担になっていた角を捌くことに成功し、混戦になった。
現在は、▲3七桂△6五竜▲7七桂と竜を追ってから▲2四成銀で先手良しが定跡になっている。



△4四角の変化

△4四角▲2四歩△同歩▲同飛△2二歩▲2八飛△5一飛▲2三歩と進行したのが藤井聡太vs斎藤慎太郎(炎の七番勝負第3局)。
▲2三歩では▲3八金も有力。△3三銀▲4五銀△6二角▲3五歩△4四銀▲同銀△同角▲4六歩△6五銀▲4七金△7六銀▲6六歩△5三角が変化の一例。





△7二銀省略型

下図のように△7二銀の代わりに△3二金と備えるのも有力。
▲3四銀に△4四角▲2四歩△同歩▲同飛△3三銀▲同銀成△同角▲2八飛に△5六歩▲同歩△8八角成▲同玉△2六歩という実戦例がある。
先手の最善は、▲3四銀△4四角に▲2三銀不成(▲2三銀成△3一金)で、もし△3三金▲2二銀不成と進展したら「 藤井聡太vs斎藤慎太郎」の変化に比べて後手が手損&歩損している。

先手中飛車

△6四銀

鈴木八段の逆転術(▲6六銀対抗形)

開始日時:2017/07/12 10:00:00
棋戦:棋王戦
戦型:ゴキゲン中飛車
先手:鈴木大介 九段
後手:深浦康市 九段
場所:東京・将棋会館


▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △6二銀 ▲5八飛 △4二玉
▲4八玉 △8五歩 ▲7七角 △5四歩 ▲3八玉 △3四歩
▲6八銀 △5三銀 ▲1六歩 △1四歩 ▲2八玉 △7七角成
▲同 銀 △6四銀 ▲5九飛 △3二玉 ▲7八金 △4二銀
▲6六銀 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8二飛
▲3八銀 △7四歩 ▲7七桂 △4四角 ▲4六角 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲6五銀 △8七歩 ▲6四銀 △8八歩成
▲6八金 △6四歩 ▲4五銀 △3五角 ▲6四角 △7六飛
▲5八飛 △6六歩 ▲3四銀 △8七と ▲7八歩 △7九銀
▲9一角成 △6八銀成 ▲3六香 △2四金 ▲3五香 △5八成銀
▲4五角 △3四金 ▲同 香 △3三銀打 ▲5八金 △6七歩成
▲8一馬 △5八と ▲3三香成 △同 銀 ▲3五桂 △3四飛
▲4三桂成 △同 玉 ▲3五銀 △4四金 ▲3四銀 △同 銀
▲6三飛 △5三香 ▲6一飛成 △5二銀 ▲6三馬 △6一銀
▲4一馬 △4五金 ▲3二銀 △3三玉 ▲4三金 △2四玉
▲4二馬 △3三歩 ▲2一銀成 △4一桂 ▲3六桂 △同 金
▲同 歩 △1二飛 ▲2五金 △同 玉 ▲3七桂


まで101手で先手の勝ち


変化:54手
△6八角成 ▲同 飛 △2四金 ▲4五銀 △7七と ▲同 歩
△同飛成 ▲9八飛 △8七銀 ▲6八角 △7六龍 ▲9一角成
△8五龍 ▲2四角 △同 歩 ▲3四銀 △3一桂 ▲8六歩
△同 龍 ▲6四馬 △8三龍 ▲6八飛 △3三歩 ▲4五銀
△7六銀成 ▲6六歩 △5七角 ▲6九飛 △6七歩 ▲7八金
△6六角成 ▲5四馬 △7七成銀 ▲同 金 △同 馬


変化:48手
△8七飛成 ▲5八飛 △6八角成 ▲同 飛 △7八と ▲5八飛
△7七と ▲6六角 △3三銀打 ▲9一角成 △6七と ▲8八飛
△同 龍 ▲同 角 △6八飛 ▲3三角成 △同 銀 ▲4六馬
△8八飛成 ▲7九銀 △9九龍 ▲8二飛 △4二金打 ▲8一飛成
△5七桂 ▲5三桂 △4九桂成 ▲同 銀 △5三金 ▲6一龍
△5七桂 ▲2五桂 △4九桂成 ▲3三桂成 △同 桂 ▲3四銀
△3九角 ▲1八玉 △2八金 ▲1七玉 △2九金 ▲2六玉
△2四香 ▲3六玉


変化:39手
▲8七歩 △7六飛


変化:39手
▲5五歩 △同 歩 ▲6五桂 △5六歩 ▲5四歩 △6二金
▲5三歩成 △同 金 ▲同桂不成 △同銀上 ▲4五金 △2二角
▲3四金 △4二桂 ▲3五金 △5四桂 ▲6八角 △8二飛
▲7七銀 △5七歩成 ▲同 角 △7三桂 ▲8三歩 △同 飛
▲8四歩 △8一飛 ▲3九角 △5七歩


銀挟みからの指し方

開始日時:2017/07/18 0:00:00
棋戦:銀河戦
戦型:ゴキゲン中飛車
場所:囲碁・将棋チャンネル
先手:羽生善治 二冠
後手:渡辺 明 竜王


▲5六歩 △8四歩 ▲7六歩 △6二銀 ▲5八飛 △4二玉 ▲4八玉 △5二金右
▲3八玉 △1四歩 ▲1六歩 △3二銀 ▲2八玉 △3一玉 ▲3八銀 △8五歩
▲7七角 △7四歩 ▲6八銀 △7三銀 ▲6六歩 △6四銀 ▲6五歩 △同 銀
▲6七銀 △6四歩 ▲5五歩 △6三金 ▲6八角 △7三桂 ▲7七桂 △3四歩
▲7八金 △4四歩 ▲5九飛 △3三角 ▲2六歩 △2二玉 ▲3六歩 △2四角
▲同 角 △同 歩 ▲9六歩 △8六歩 ▲同 歩 △7五歩 ▲同 歩 △7六歩
▲6五桂 △同 桂 ▲7六銀 △8六飛 ▲8七銀打 △8二飛 ▲8三歩 △同 飛
▲7二角 △7三飛 ▲6一角成 △9四角 ▲同 馬 △同 歩 ▲6六歩 △7七桂成
▲同 金 △6八角 ▲7八金 △5九角成 ▲同 金 △3三桂 ▲6一角 △8九飛
▲7七角 △4五桂 ▲3四角成 △3三銀 ▲6一馬 △5七桂成 ▲8五桂 △5六桂
▲9八銀 △8五飛成 ▲同 銀 △7五飛 ▲7六銀 △同 飛 ▲4三馬 △3二金
▲7六馬 △4八桂成 ▲6一飛 △3一歩 ▲7一飛打 △5四歩 ▲6三飛成 △3九銀
▲2七玉 △5九成桂 ▲5四馬 △2八金 ▲3七玉 △5六成桂 ▲3五歩 △4五桂
▲3六玉 △3八金 ▲3二馬 △同 歩 ▲2三金 △同 玉 ▲2一飛成
まで111手で先手の勝ち

里見女流vs藤井七段(▲5五歩~▲6六銀型)

図の△6二金が藤井七段の新手。
これまでは、△6五桂や△5二金右が指されていた。
有名な将棋では、菅井王位vs豊島棋聖(第59期王位戦第一局)が、1筋の突き合いがない形から△9四歩としている。(先手勝ち)


また、藤井七段が四段の頃(といっても去年の話ですが・・・)に星野四段相手に、早く△5二金として下図のような仕掛けを試みている。


参考図


本譜でも▲5九飛△8一飛▲4七銀と浮き駒ができたタイミングで△8六歩が有力だった。

  1. ▲同角は△8八歩
  2. ▲同歩には△6五桂▲6八角 △5五銀左 ▲同 飛 △同 銀 ▲6五銀 △6四銀▲同銀 △同歩 ▲7七角 △同角成 ▲同桂 △8六飛▲6六角 △8八飛成 ▲7八銀 △2二角 ▲同角成 △同玉▲5四歩 △9九龍 ▲6六角 △3三角 ▲同角成 △同 桂▲6六角 △2四香 ▲4五桂 △4四銀 ▲3三桂成 △同銀▲4五桂 △4四歩 ▲3三桂成 △同玉 ▲4五歩 △3五桂▲3八銀打 △2七香成が想定され、後手有利だ。

開始日時:2017/10/12 10:00:00
終了日時:2017/10/12 21:24:00
棋戦:順位戦
戦型:ゴキゲン中飛車
持ち時間:6時間
消費時間:88▲315△288
場所:関西将棋会館
先手:星野良生 四段
後手:藤井聡太 四段
▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △6二銀 ▲5八飛 △8五歩 ▲7七角 △4二玉
▲4八玉 △1四歩 ▲1六歩 △3二玉 ▲3八玉 △5二金右 ▲6八銀 △7四歩
▲2八玉 △3四歩 ▲5五歩 △4二銀 ▲3八銀 △7三銀 ▲5七銀 △6四銀
▲6六銀 △3三銀 ▲4六歩 △8六歩 ▲同 歩 △7三桂 ▲7八金 △6五桂
▲5九角 △4四銀 ▲7七桂 △8六飛 ▲6五桂 △8九飛成 ▲7七角 △1三角
▲4八飛 △8六歩 ▲2五桂 △8七歩成 ▲同 金 △2二角 ▲8八角 △2四歩
▲7七金 △5五銀左 ▲7八金 △8七歩 ▲7九金 △8八歩成 ▲8九金 △同 と
▲5四歩 △同 歩 ▲5三歩 △4二金寄 ▲6一飛 △2五歩 ▲9一飛成 △2四桂
▲3六香 △1五歩 ▲5八飛 △3一金打 ▲1五歩 △6六銀 ▲5四飛 △2三銀
▲3四飛 △同 銀 ▲同 香 △3三歩 ▲3五銀 △3四歩 ▲2四銀 △2三香
▲同銀成 △同 玉 ▲9三龍 △6七銀成 ▲6三龍 △6六角 ▲4八桂 △7九飛
まで88手で後手の勝ち


開始日時:2018/08/24 10:00:00
終了日時:2018/08/24 12:22:00
棋戦:棋聖戦
戦型:ゴキゲン中飛車
持ち時間:60分
場所:関西将棋会館
先手:里見香奈 女流四冠
後手:藤井聡太 七段
▲5六歩 △8四歩 ▲7六歩 △6二銀 ▲5五歩 △4二玉 ▲5八飛 △8五歩
▲7七角 △7四歩 ▲6八銀 △7三銀 ▲5七銀 △6四銀 ▲6六銀 △3二玉
▲4八玉 △1四歩 ▲1六歩 △4二銀 ▲3八玉 △3四歩 ▲2八玉 △3三銀
▲3八銀 △4四銀 ▲4六歩 △7三桂 ▲5四歩 △同 歩 ▲同 飛 △6二金
▲5九飛 △8一飛 ▲4七銀 △5五歩 ▲3八金 △9四歩 ▲3六歩 △5一飛
▲3七桂 △5三銀左 ▲5五銀 △同 銀 ▲同 飛 △1五歩 ▲同 歩 △5五角
▲同 角 △4四銀 ▲6六角 △5七銀 ▲4五歩 △6六銀成 ▲4四歩 △同 歩
▲6六歩 △1八歩 ▲同 香 △4九飛 ▲5八銀打 △1九角 ▲1七玉 △2九飛成
▲2五銀 △5八飛成 ▲同 金 △2八銀 ▲2六玉 △1八龍 ▲5四角 △4三香
▲1六飛 △同 龍 ▲同 銀 △5三金 ▲6二飛 △4二飛 ▲6三角成 △同 金
▲同飛成 △1七角
まで82手で後手の勝ち


先手:竹内 雄悟 四段
後手:藤井 聡太 四段
▲5六歩 △8四歩 ▲7六歩 △6二銀 ▲5八飛 △8五歩
▲7七角 △4二玉 ▲6八銀 △5二金右 ▲4八玉 △1四歩
▲3八玉 △1五歩 ▲2八玉 △3二銀 ▲1八香 △3一玉
▲1九玉 △7四歩 ▲5七銀 △7二飛 ▲6六銀 △6四歩
▲2八銀 △6三銀 ▲5五歩 △1三角 ▲3九金 △2四角
▲3六歩  △4四歩 ▲2六歩 △3四歩 ▲2七銀 △4三金
▲2八金 △2二玉 ▲2五歩 △5一角 ▲6八角 △8四角
▲3五歩 △同 歩 ▲同 角 △5四歩 ▲同 歩 △同 銀
▲5九金 △4五銀 ▲7五歩 △5六歩 ▲3七桂 △3四銀
▲4六角 △3五歩 ▲5六飛 △7五歩 ▲4九金 △7六歩
▲5四歩 △5二歩 ▲7八歩 △8六歩 ▲同 歩 △8二飛
▲5五銀 △9五角 ▲5三歩成 △同 歩 ▲9六歩 △8六角
▲8四歩 △同 飛 ▲5七角 △7四飛 ▲3八金上 △5九角成
▲4四銀 △同 金 ▲6六角 △4九馬 ▲4四角 △3三銀打
▲同角成 △同 銀 ▲4五銀 △8四飛 ▲2四歩 △8九飛成
▲3九歩 △2四歩 ▲5三飛成 △4三歩 ▲3四銀 △同 銀
▲2五歩 △3三銀 ▲2四歩 △同 銀 ▲4五銀 △2三銀
▲3四金 △3二角 ▲2三金 △同 角 ▲3四銀打 △3二金打
▲2三銀成 △同 金 ▲3四角 △3二銀 ▲2三角成 △同 銀
▲3四金 △3二角 ▲2三金 △同 角 ▲3四銀打 △1四角
▲2三歩 △1二玉 ▲5九歩 △2六歩 ▲同 銀 △2七歩
▲同金左 △4七角成 ▲2二歩成 △同 玉 ▲2九歩 △7八龍
▲5八歩 △3九馬 ▲2三銀成 △3一玉 ▲3四銀 △3二金打
▲同成銀 △同 金 ▲4三銀成 △3三銀打 ▲3二成銀 △同 玉
▲3四歩 △同 銀 ▲4四龍 △5六馬 ▲5三龍 △5五歩
▲3八歩 △8九龍 ▲6四龍 △4七銀
まで154手で藤井四段の勝ち


将世2018.1号p.87~


対中飛車ミレニアム




【居合抜き左美濃】 


進化する居飛車の対策

都成竜馬六段が開発した対ゴキゲン中飛車で、角道を開けずに左美濃に囲い、場合によっては△1三角を狙う作戦を「居合抜き左美濃」と呼び、戦術書もある。


初手からの指し手
▲7六歩 △4二玉 ▲6六歩 △5二金右 ▲7八銀 △7四歩
▲6七銀 △3四歩 ▲5六歩 △3二銀 ▲5八飛 △1四歩
▲1六歩 △6二銀 ▲4八玉 △6四歩 ▲7七角 △7二飛
▲3八玉 △3三角 ▲2八玉 △6三銀 ▲3八銀 △3一玉
▲5五歩 △4四歩 ▲5六銀 △2四角 


どうしてこんな戦法が生まれたかというと、図の△2四角が優秀とわかったからだ。
先手が▲6六歩とした後、▲6八飛と6筋を狙って△7三桂を強要し、さらにその桂頭を狙って▲7八飛とする。
それが中飛車の描いた理想だったが、△2四角で頓挫した。


さらに△7五歩と飛車先交換されると作戦負けになってしまう。通常は▲7八飛と対抗するのだが、この場合は角を成られる。
先手の▲6六歩が祟り、▲6六角とできないので、すでに後手のペース。


図の局面から▲6五歩△同歩▲5四歩△同銀▲5五銀と攻めたが
△6六歩が手筋。▲5四銀△6七歩成となって後手優勢。


しかし△3四歩と突いてなければもっと後手が指し良いだろうと角道を開けない左美濃が指されるようになった。


黒沢vs南

居飛車に新戦法が出ると振り飛車側も工夫する。
黒沢五段は穴熊に囲って▲3五歩(図)と伸ばした。
後手にとって嫌らしい歩だ。

図から△7五歩▲同歩△同飛に▲3四歩が鋭い踏み込み。
角交換の狙いだが、飛車切りで元の角を取られても大丈夫か?


開始日時:2018/03/15 10:00:00
終了日時:2018/03/15 16:39:00
棋戦:順位戦
戦型:ゴキゲン中飛車
先手:黒沢怜生 五段
後手:南 芳一 九段
場所:関西将棋会館
▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △6二銀 ▲6八銀 △1四歩
▲5八飛 △8五歩 ▲7七角 △1五歩 ▲4八玉 △4二玉
▲3八玉 △3二銀 ▲2八玉 △3一玉 ▲1八香 △6四歩
▲1九玉 △6三銀 ▲2八銀 △7四歩 ▲5七銀 △5二金右
▲3九金 △9四歩 ▲3六歩 △7二飛 ▲3五歩 △7五歩
▲同 歩 △同 飛 ▲3四歩 △4四歩 ▲同 角 △4五飛
▲3三歩成 △同 銀 ▲同角成 △同 桂 ▲4六銀 △6五飛
▲3四歩 △6七飛成 ▲6八金 △8七龍 ▲3三歩成 △同 角
▲3八飛 △3二歩 ▲7七桂 △4二玉 ▲3四銀 △6六角
▲5七銀 △9三角 ▲3三歩 △5一玉 ▲3二歩成 △同 金
▲4四桂 △7六歩 ▲2三銀成 △同 金 ▲3二飛成 △6二玉
▲5二桂成 △同 銀 ▲8四歩 △4一角 ▲4二龍 △7三玉
▲5一龍 △7一桂 ▲6六銀 △7七歩成 ▲同 金 △8八龍
▲7四歩 △8四玉 ▲6二龍 △9九龍 ▲7三歩成 △9七龍
▲8七金打
まで85手で先手の勝ち


畠山七段の復活 

開始日時:2018/03/07 10:00:00
終了日時:2018/03/07 23:48:00
棋戦:順位戦
戦型:ゴキゲン中飛車
場所:東京・将棋会館
先手:戸辺 誠 七段
後手:畠山 鎮 七段


▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △8五歩 ▲7七角 △5四歩 ▲5八飛 △4二玉
▲4八玉 △6二銀 ▲3八玉 △3四歩 ▲2二角成 △同 銀 ▲8八銀 △3三銀
▲5五歩 △同 歩 ▲同 飛 △3二玉 ▲7七銀 △4二金 ▲2八玉 △6四歩
▲3八銀 △6三銀 ▲5九飛 △4四歩 ▲7八金 △4三金 ▲6六銀 △3五歩
▲7七桂 △3四銀 ▲5五飛 △5二銀 ▲8五飛 △同 飛 ▲同 桂 △8九飛
▲7九飛 △同飛成 ▲同 金 △3六歩 ▲同 歩 △4五角 ▲6八金 △8四歩
▲8二角 △8五歩 ▲9一角成 △2四桂 ▲3七香 △8八飛 ▲6九飛 △8六歩
▲7七銀 △6八飛成 ▲同 飛 △8七歩成 ▲6六銀 △7八と ▲同 飛 △6七角成
▲6二歩 △5一金 ▲8八飛 △3五歩 ▲6九飛 △7六馬 ▲8一飛成 △4二金上
▲3五歩 △2五銀 ▲5三歩 △同金寄 ▲2六歩 △同 銀 ▲2七歩 △3六歩
▲2六歩 △3七歩成 ▲同 玉 △3六香 ▲2八玉 △3八香成 ▲同 金 △4九銀
▲2七銀 △3八銀成 ▲同 銀 △3六桂 ▲3七玉 △4八桂成 ▲3四桂 △4一金
▲5四歩 △3八成桂 ▲同 玉 △3七歩 ▲同 桂 △3六銀 ▲2七銀 △5四馬
▲3六銀 △同 馬 ▲4二銀 △同 金 ▲同桂成 △同 玉 ▲3四桂 △4三玉
▲5九飛 △4六桂 ▲4八玉 △8一馬 ▲4六歩 △6八飛 ▲5八金 △3六馬
まで120手で後手の勝ち



勝利目前の震え~藤井四段が勝ちを拾う。竹内雄悟vs藤井聡太 

開始日時:2017/09/27 10:00:00
棋戦:棋聖戦
戦型:ゴキゲン中飛車
場所:関西将棋会館
先手:竹内雄悟 四段
後手:藤井聡太 四段


▲5六歩 △8四歩 ▲7六歩 △6二銀 ▲5八飛 △8五歩 ▲7七角 △4二玉
▲6八銀 △5二金右 ▲4八玉 △1四歩 ▲3八玉 △1五歩 ▲2八玉 △3二銀
▲1八香 △3一玉 ▲1九玉 △7四歩 ▲5七銀 △7二飛 ▲6六銀 △6四歩
▲2八銀 △6三銀 ▲5五歩 △1三角 ▲3九金 △2四角 ▲3六歩 △4四歩
▲2六歩 △3四歩 ▲2七銀 △4三金 ▲2八金 △2二玉 ▲2五歩 △5一角
▲6八角 △8四角 ▲3五歩 △同 歩 ▲同 角 △5四歩 ▲同 歩 △同 銀
▲5九金 △4五銀 ▲7五歩 △5六歩 ▲3七桂 △3四銀 ▲4六角 △3五歩
▲5六飛 △7五歩 ▲4九金 △7六歩 ▲5四歩 △5二歩 ▲7八歩 △8六歩
▲同 歩 △8二飛 ▲5五銀 △9五角 ▲5三歩成 △同 歩 ▲9六歩 △8六角
▲8四歩 △同 飛 ▲5七角 △7四飛 ▲3八金上 △5九角成 ▲4四銀 △同 金
▲6六角 △4九馬 ▲4四角 △3三銀打 ▲同角成 △同 銀 ▲4五銀 △8四飛
▲2四歩 △8九飛成 ▲3九歩 △2四歩 ▲5三飛成 △4三歩 ▲3四銀 △同 銀
▲2五歩 △3三銀 ▲2四歩 △同 銀 ▲4五銀 △2三銀 ▲3四金 △3二角
▲2三金 △同 角 ▲3四銀打 △3二金打 ▲2三銀成 △同 金 ▲3四角 △3二銀
▲2三角成 △同 銀 ▲3四金 △3二角 ▲2三金 △同 角 ▲3四銀打 △1四角
▲2三歩 △1二玉 ▲5九歩 △2六歩 ▲同 銀 △2七歩 ▲同金左 △4七角成
▲2二歩成 △同 玉 ▲2九歩 △7八龍 ▲5八歩 △3九馬
*※局後の感想※
*藤井「☖3九馬が危なかった。☗3二歩が打てるので」
*このあと、藤井四段の玉は、寄りそうになります。
▲2三銀成 △3一玉
*△2三同玉が優っていたようです。銀を取ると、先手玉は詰めろ。
▲3四銀 △3二金打 ▲同成銀 △同 金 ▲4三銀成 △3三銀打 ▲3二成銀
*ここで▲3四歩なら、先手が勝っていたようです。
△同 玉 ▲3四歩 △同 銀 ▲4四龍
*3八金打で先手優勢
△5六馬 ▲5三龍 △5五歩 ▲3八歩 △8九龍 ▲6四龍 △4七銀
まで154手で後手の勝ち


変化:153手
▲4二金 △2二玉 ▲3二金打 △1二玉 ▲5一龍


【オッサン流△4四銀】近藤正vs千田


開始日時:2017/07/07 14:00:00
棋戦:叡王戦
戦型:ゴキゲン中飛車
場所:東京・将棋会館
先手:近藤正和 六段
後手:千田翔太 六段


▲5六歩 △8四歩 ▲7六歩 △6二銀 ▲5八飛 △4二玉 ▲4八玉 △3二玉
▲3八玉 △3四歩 ▲5五歩 △4二銀 ▲2八玉 △8五歩 ▲7七角 △3三銀
▲3八銀 △5二金右 ▲4六歩 △7四歩 ▲6八銀 △4四銀 ▲5四歩 △同 歩
▲同 飛 △5三銀上 ▲5九飛 △6四銀 ▲7八金 △4二金寄 ▲1六歩 △1四歩
▲4五歩 △同 銀 ▲2二角成 △同 玉 ▲7一角 △7二飛 ▲2六角成 △3五角
▲2五馬 △3三桂 ▲4七馬 △5六歩 ▲5七歩 △5五銀 ▲5六歩 △4六銀右
▲6九馬 △4四角 ▲6六歩 △同 角 ▲7七金 △4四角 ▲3六歩 △7五歩
▲4七歩 △7六歩 ▲6七金 △9九角成 ▲4六歩 △同 銀 ▲5八馬 △6四香
▲3九金 △5七歩 ▲同 銀 △7七歩成 ▲同 金 △5七銀成 ▲同 馬 △6八銀
▲4六馬 △5九銀不成▲3五歩 △4四飛 ▲4五歩 △同 飛 ▲3六馬 △4八銀不成
▲同 金 △同飛成 ▲3七銀打 △3八龍 ▲同 玉 △8九馬 ▲7六歩 △5六馬
▲4七銀 △3五歩 ▲4六馬 △同 馬 ▲同銀右 △5二飛 ▲5七銀打 △9二角
▲5六角 △同 角 ▲同銀右 △9二角 ▲3四角 △2四金
まで102手で後手の勝ち

【居合抜き持久戦】 終盤幻の鬼手

 昨日の藤井九段戦は序盤早くから作戦負けになってしまい、そこから勝負手を連発、徐々に差が詰まりましたが最後に間違えました。感想戦では96手目△2二歩が敗着、△3一桂なら勝ちでしたが、念のため帰宅してソフトでみてみると、△3一桂から▲4二金△5九竜▲4九金打△2七香成▲同銀△2六歩▲同銀△2七桂▲3八玉△7六とと進みます。

 その△7六とで手段がなく後手勝ちという結論でしたが、そこで先手から▲3二金という鬼手があり形勢不明、この最終盤で評価値に差がほとんどないという驚きがありました。▲3二金というのは飛車を渡すと▲2二飛から詰みがあるという手ですが、△同銀と取られてしまうので普通は全く考えません。 (飯島七段のつぶやきより)



開始日時:2017/12/13 10:00:00
終了日時:2017/12/13 23:38:00
棋戦:順位戦
戦型:ゴキゲン中飛車
先手:藤井 猛 九段
後手:飯島栄治 七段
場所:東京・将棋会館
▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △6二銀 ▲5八飛 △4二玉
▲4八玉 △5二金右 ▲3八玉 △1四歩 ▲1六歩 △3二銀
▲2八玉 △3一玉 ▲3八銀 △8五歩 ▲7七角 △7四歩
▲6八銀 △6四歩 ▲5五歩 △6三銀 ▲5七銀 △7二飛
▲4六歩 △3四歩 ▲5六銀 △3三桂 ▲6六角 △2四歩
▲8八飛 △8二飛 ▲2六歩 △4二金寄 ▲5八金左 △5四歩
▲4七金 △5二飛 ▲5八飛 △5五歩 ▲同 角 △7三桂
▲3六歩 △2三銀 ▲3七桂 △2一玉 ▲6六角 △7五歩
▲同 角 △2五桂 ▲同 歩 △9九角成 ▲5三歩 △同 飛
▲4五桂 △5二飛 ▲5三歩 △8二飛 ▲6六角 △同 馬
▲同 歩 △3二金上 ▲5一角 △8四角 ▲7五歩 △5七歩
▲7八飛 △8六歩 ▲3三桂打 △1二玉 ▲2四歩 △2五香
▲3九玉 △2四銀 ▲4一桂成 △8七歩成 ▲7六飛 △5八歩成
▲同 金 △5七歩 ▲4八金寄 △6五桂 ▲8四角成 △同 飛
▲4二成桂 △同 金 ▲2七歩 △7七と ▲5二歩成 △8九飛成
▲5九歩 △5二銀 ▲5一角 △4一銀 ▲3三金 △2二歩
▲4二金 △5八歩成 ▲同 金 △5七歩 ▲4八金寄 △5九龍
▲4九金打 △4八龍 ▲同金上 △7六と ▲4一金 △8九飛
▲4九飛 △2七香成 ▲同 銀 △4九飛成 ▲同 金 △8八飛
▲2八飛 △5八歩成 ▲同 飛 △同飛成 ▲同 金 △4九金
▲同 玉 △2九飛 ▲3八玉 △1九飛成 ▲2一銀 △同 玉
▲3二金 △1二玉 ▲2二金
まで129手で先手の勝ち


変化:96手
△3一桂 ▲4二金 △5九龍 ▲4九金打 △2七香成 ▲同 銀
△2六歩 ▲同 銀 △2七桂 ▲3八玉 △7六と ▲3二金
△1三銀 ▲5九金 △3二銀 ▲7二飛 △2一角 ▲6五歩
△2四歩 ▲3三角成 △2二金 ▲3四馬 △2三銀 ▲同 馬
△同 桂 ▲3四桂 △7七角 ▲2七玉 △2九飛 ▲2八銀
△5九飛成 ▲2二桂成 △同 銀 ▲3四桂 △3二歩 ▲4九金打
△8九龍 ▲2五歩 △同 歩 ▲同 銀 △2六歩 ▲同 玉
△4四角成 ▲3五香


久保利明九段 vs 阿部健治郎七段(竜王戦)

開始日時:2016/07/08 10:00:00
終了日時:2016/07/08 22:20:00
棋戦:竜王戦
場所:関西将棋会館
先手:久保利明九段
後手:阿部健治郎七段


▲5六歩 △8四歩 ▲7六歩 △6二銀 ▲5八飛 △4二玉 ▲4八玉 △8五歩
▲7七角 △5四歩 ▲6八銀 △3二玉 ▲3八玉 △3四歩 ▲2八玉 △5二金右
▲1六歩 △5三銀 ▲1五歩 △4四歩 ▲5五歩 △4三金 ▲5四歩 △同 銀
▲3八銀 △4二銀 ▲5七銀 △6五銀 ▲5六銀 △7六銀 ▲6六角 △5四金
▲4六歩 △6五銀 ▲同 銀 △同 金 ▲8八角 △5五歩 ▲7四歩 △同 歩
▲6六銀 △同 金 ▲同 角 △5四銀 ▲5五飛 △同 銀 ▲同 角 △6四銀
▲6六角 △5二飛 ▲4五歩 △5五銀 ▲6一銀 △5三飛 ▲5四歩 △同 飛
▲6五金 △6六銀 ▲5四金 △5一飛 ▲6六歩 △5四飛 ▲8三飛 △4五歩
▲6三飛成 △4三角 ▲7七桂 △5七飛成 ▲5八金左 △5五龍 ▲6五桂 △6四歩
▲5六歩 △同 龍 ▲6四龍 △6三歩 ▲同 龍 △6二歩 ▲同 龍 △5一金
▲8二龍 △5五角 ▲7三歩 △6五角 ▲同 歩 △3六桂 ▲1八玉 △2八金
▲1七玉 △2九金 ▲5四角 △4三桂 ▲8一角成 △2八桂成 ▲4七金 △9九角成
▲5六金 △4四馬 ▲2六歩 △1四歩 ▲2九銀 △同成桂 ▲4五金
まで103手で先手の勝ち


対振りも雁木戦法で

開始日時:2017/10/12 10:00:00
終了日時:2017/10/12 22:38:00
棋戦:順位戦
戦型:ゴキゲン中飛車
場所:東京・将棋会館
先手:西田拓也 四段
後手:増田康宏 四段


▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △6二銀 ▲5八飛 △4二玉 ▲4八玉 △1四歩
▲1六歩 △5二金右 ▲3八玉 △8五歩 ▲7七角 △7四歩 ▲6八銀 △3二銀
▲2八玉 △6四歩 ▲5五歩 △6三銀 ▲5七銀 △4四歩 ▲5六銀 △3四歩
▲3八銀 △4三銀 ▲4六歩 △3二金 ▲7八飛 △3三角 ▲5八金左 △3一玉
▲4七金 △5一角 ▲3六歩 △3三桂 ▲3七桂 △8四角 ▲4五歩 △同 歩
▲同 桂 △同 桂 ▲同 銀 △4四歩 ▲5六銀 △2一玉 ▲6八角 △9四歩
▲9六歩 △2二金 ▲2六歩 △4二金 ▲2七銀 △5四歩 ▲3八金 △5二飛
▲7七角 △7三桂 ▲5四歩 △同銀右 ▲5五歩 △4五銀 ▲同 銀 △同 歩
▲5四桂 △3三金右 ▲4二銀 △3二金引 ▲4一銀不成△8二飛 ▲3二銀成 △同 金
▲4二金 △4六銀 ▲4四歩 △同 銀 ▲3二金 △同 玉 ▲4二金 △3三玉
▲4六金 △同 歩 ▲6六角 △同 角 ▲同 歩 △4七歩成 ▲同 金 △4六歩
▲同 金 △5七角 ▲3七銀 △4五桂 ▲同 金 △同 銀 ▲5八飛 △3九銀
▲1七玉 △4六銀 ▲5七飛 △3七銀不成▲4五桂 △2二玉 ▲3三角 △1二玉
▲1五歩 △2五金
まで106手で後手の勝ち


相振り対策

タイトル奪取した二手損作戦

第58期王位戦七番勝負 第4局 菅井竜也 七段 vs. 羽生善治 三冠 で、菅井七段の先手中飛車に対して、オールラウンダーの羽生三冠は相振り(向かい飛車)を挑んだ。
相振り飛車では、中飛車の方が飛車の位置が悪いというのが定説だ。
菅井七段は、▲2八飛と受けた。
飛車を振って戻したので二手損だ。

そして下図となると先手中飛車は、影も形もない。
対局場の淡路島に応援に来ていた菅井七段の師匠の井上九段は、「訳の分からないことを・・・」と言い残し、現地をあとにした。
理論派の井上九段の目に、弟子の奔放な指し回しは我慢ならないものに映ったか。

人間は必ず間違える。
そういったhuman errorを避けたり、誘導するのが勝つコツだったりする。
大山康晴15世名人の将棋はそれを特化したもので、大山名人を嫌っていた米長将棋にも引き継がれている。
対して升田、谷川、羽生の系譜はそれとは異なり将棋の真理を追究しようとするもの。
王位戦挑戦者である菅井将棋はどちらの系譜に属するのだろうか。
振り飛車にバランス型で対抗した本譜の陣形を見ると、将棋の真理を追及しているようだが、相振り模様から居飛車に戻したのを羽生三冠に飛車を振らせるための駆け引きと見るようなら勝負重視にも思える。
この居飛車に戻してからの中住まい玉も、先手中飛車からのvariationとして自身の頭の中の「菅井ノート」に書かれているのだろう。

菅井七段に小ミスが出る。
上図の▲4二成桂は危険で▲4二とが正解だった。
本譜は桂馬を渡したので△6五桂で先手陣が薄くなった。


上図の局面では▲5八玉が明快だった。
△8九飛成には▲9四歩からの詰みがあるので△4二飛だが、そこで▲9四桂なら金一枚本譜より持ち駒が多い。
しかし△8九飛成に詰み損なえば大逆転負けなので踏み込めなかったという。人間はコンピュータと違うので当然だ。
▲9四歩に△8四玉の変化は▲7五金△9五玉▲7四桂△9四玉▲9五歩△9三玉▲9四銀以下。
桂の持ち駒が大きい。
また、△8二玉の変化は、▲9三銀からばらして▲8五桂と打ち、最後は▲8二金から飛車を取って詰む。
しかし、金合したのは、次にあまりに気持ちのよい寄せが見えていたから。

ザ手筋。
この手で勝ちと読んで先の▲5九金を選んだのだが、△8二金と抵抗されて容易でない。
わざわざ取られる8二に打つのが羽生三冠の実力を見せた一手。
しかし、将棋は、わずかなリードを生かして先手勝ち。


谷口女流の秘策「中飛車原始棒銀」

「将世2020/4」p154~