将棋備忘録

殴り書きの備忘録なので、読みづらい点はどうかご容赦を!

2019年7月のブログ記事

  • 【矢倉】腰掛け銀

    右四間飛車   近藤誠也vs豊島将之(王座戦)より取材。 ここで▲6八銀△4二銀とお互い銀を引きあう。 ▲5七銀に△6五歩と攻撃開始。 これには▲7九玉が受けの形。 後手は、△3五歩▲2六飛に△9五歩▲同歩△3六歩▲同飛△9七歩と端攻め。 端攻めが後手の元々の予定で、9筋の歩を受けたので右四間飛車... 続きをみる

  • 詰み逃し

    アマプロ戦での妙手 金井恒太プロvs加藤幸男アマの朝日杯将棋オープン戦。   ▲2四角から成銀を抜いても後手に詰めろがかからず負け。 しかし、ここで妙手があって詰む。 ▲7三角! 実戦でこんな綺麗な手が落ちていたとは奇跡だ。 以下△同桂▲2一飛成 △6二玉 ▲5二金△同玉 ▲4二と △6二玉 ▲5... 続きをみる

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  • 【矢倉】先手左美濃急戦

    藤井vs深浦(2010年7月王座戦) 後手の5三の銀が非常に使いにくい形。 かといって先手陣が居角なので、△6四銀とは指しにくい。 ▲6五歩が角筋を通して幸便。 どうして先手がこんな形に組めたのか? そんな疑問を持たれる方は、下の棋譜をご鑑賞ください。 飛車先交換を許しても、左美濃にして居角のまま... 続きをみる

  • 【横歩取り】中座飛車最強の敵▲7七角型

    ▲7七角型のRoots 横歩取り中座飛車の最有力の対策とされる▲7七角型のルーツを探る。 大山vs中原 この▲7七角型は、不世出の大名人と言われた大山康晴15世名人が、中原誠八段(後の16世名人)の挑戦を受けた十段戦で披露した横歩取り対策。 ▲7七角型の長所は、▲6八銀と左銀を活用できること。 左... 続きをみる

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  • 【一手損角換わり】羽生流右玉戦法

    新境地の羽生九段 羽生九段と言えば、最新の流行形を極めるイメージだったが、最近は、モデルチェンジを図っているのか、独自の戦法を試みるようになった。 最新の角換わり戦法や矢倉では、飛車先の歩を早めに突くようになり、飛車先を保留する価値は低くなっている。それが、時流に逆らうかのように、飛車先保留を狙い... 続きをみる

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  • 【角換わり旧旧対抗】

    3手目▲2五歩からの角換わりには△6四角が効果的  佐々木大地 四段 vs 三枚堂達也 五段 ▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角▲7六歩というopeningに対して三枚堂達也五段の対策は、図の△6五歩。 次の△6四角が将来の△8五桂からの端攻めを狙って好位置。 飛車先を保留しているのが後手陣の利点。... 続きをみる

  • 【矢倉vs雁木】

    高見泰地が中村太地にリベンジ 順位戦で中村太地七段の雁木に敗れた高見泰地七段が王座戦で同じ矢倉対雁木の戦型に。 十分に敗局を検討した高見は、斜め棒銀の工夫を見せた。 △5二金に▲3五歩△同歩▲4六銀△3六歩▲2六飛(図)と進んだ。 ▲3五歩を△同歩と取った手では、△5四歩として△5五歩からの攻めを... 続きをみる

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  • 【横歩取り】△4五角戦法(△2八歩手抜きの▲7七角)

    横歩△4五角テラショック定跡 (他横歩取り超急戦定跡)というページに「横歩△4五角戦法」が丸裸に。 素晴らしい研究をぜひご覧ください。 ショック受ける事間違いない。 かつて横歩取り△4五角戦法を流行させた谷川浩二九段が、先手番で横歩取り△4五角戦を挑まれた時に用いた対策がこれ。(対田中魁秀戦) 初... 続きをみる

  • 【中飛車】戦術書いろいろ

    青嶋未来著「青嶋の結論」 序  章 相穴熊の特徴 第1章 超速  第1節 駒組み  第2節 △3二飛型  第3節 △4二角型  第4節 ▲8六角型対△6二飛  第5節 ▲8六角型対△4二角  青嶋の結論 第2章 一直線穴熊  第1節 駒組み  第2節 対袖飛車  第3節 7筋交換型  第4節 対△... 続きをみる

  • 【藤井矢倉】

    屋敷流藤井矢倉 開始日時:2017-02-12T16:00:00.000Z 棋戦:棋聖戦 戦型:矢倉 2017-02-14:10:53 2017-02-15:13:20 2017-02-16:22:20 2017-02-13:23:41 先手:屋敷伸之 九段 後手:佐々木勇気 五段 場所:東京・将... 続きをみる

  • 【minor戦法】菜々河流向かい飛車・阪田流向かい飛車・△3三金型三間飛車

    菜々河流向かい飛車 バーチャルユーチューバー菜々河れいさんが編み出した『菜々河流向かい飛車』。 阪田流は相手が角交換することが必須条件だが、菜々河流は必ず向かい飛車にできる。 黒田五段は、菜々河れいさんの中の人と交流があり、この戦法を知った。 まず、対千葉戦(朝日杯)で菜々河流を披露したが敗れた。... 続きをみる

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  • 【詰将棋】芸術性を鑑賞する

    不利取駒【流田義夫氏作】  流田義夫作(平成12年3月号)  詰手順 ▲2五桂 △1四玉 ▲1三金 △同飛 ▲同桂成 △同香 ▲1五飛 △同玉 ▲3七馬 △2六飛 ▲同馬 △同銀成 ▲2七桂 △同成銀 ▲2五飛 △1四玉 ▲2三龍まで17手詰 ▲1三金に対して△同香としますと、後に▲3七馬とした際... 続きをみる

  • 【矢倉】畠山鎮七段の執念が中村修九段を誤らせた

    B2に降級していた畠山鎮七段が一期でB1に復帰した。 中でも中村修九段との一局は、終盤が双方一分将棋の大熱戦だった。 初手からの指し手 ▲7六歩 △8四歩 ▲7八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀 ▲5六歩 △5四歩 ▲4八銀 △3二銀 ▲5八金右 △5二金右 ▲6七金 △4四歩 ▲7九角 △3一角... 続きをみる

  • 【石田流崩し】△7二飛

    左美濃から△7二飛 【藤井vs丸山】 第29期竜王戦1組、藤井九段vs丸山九段より取材。 図の局面は、先手の飛車が窮屈で、自信のない戦い。 実戦は、藤井九段が千日手に逃れたが、先手番としては不満。 【羽生vs山崎】 実は、この戦型は羽生vs山崎(大和証券杯2009年4月5日対局)でも戦われていた。... 続きをみる

  • メジャーリーガー大谷翔平選手の81マス

    81マスといっても将棋盤ではありません。 今泉浩晃さんが開発したマンダラート(目標達成表)です。

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  • 【石田流】定跡を変えた西田新手

    加古川青流戦第二局(西田拓也 四段 vs井出隼平 四段)  初手からの指し手 ▲7六歩 △3四歩 ▲7五歩 △4二玉 ▲6六歩 △6二銀 ▲7八飛 △6四歩 ▲4八玉 △6三銀 ▲3八銀 △3二銀 ▲3九玉 △3一玉 ▲2八玉 △8四歩 ▲6八銀 △5二金右 ▲6七銀 △1四歩 ▲1六歩 △8五歩... 続きをみる

  • 【ゴキゲン中飛車】超急戦外しの△6二玉

    近藤正和著『ゴキゲン中飛車で行こう』を読んだ。 草創期のアバウトな駒組から、現在の菅井新手△2四歩まで触れた、いわばゴキゲン中飛車の歴史書みたいな本。 押さえておくべき変化をいくつかupしてみる。 図から▲4八銀としたが、△3三角▲同角成△同桂▲2四歩と激しい変化に。 △同歩に▲2三角とするのは△... 続きをみる

  • 【相振り飛車】相三間飛車

    定跡の▲7六飛に△3六歩の仕掛け 打ちにくい▲2六桂 初手からの指し手 ▲7六歩  △3四歩  ▲7五歩  △3五歩  ▲7八飛  △3二飛 ▲5八金左 △5二金左 ▲4八玉  △6二玉  ▲7六飛  △3六歩(途中図) ▲同 歩  △8八角成 ▲同 銀  △5五角  ▲7七角  △1九角成 ▲1... 続きをみる

  • 古都

    京都三大祭りの一つに数えられる祇園祭は、明治時代までは「祇園御霊会(ごりょうえ)」と呼ばれ、平安時代から伝わる、怨霊を鎮める儀式でした。 京都は、三方向に山を抱えています。東山、北山、西山です。 それらの山が、京都盆地に住む人々に、常に東西南北の方向を教えてくれます。 なお、今から1225年ほど前... 続きをみる

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  • 【詰将棋】手筋と詰め上がり形を分類してみる

    捨て駒のロジック 詰将棋では駒を捨てることが多い。 捨て駒によってどのような効果が期待できるのか? ①守備駒が移動する→弱体化・無力化(打歩打開の場合は守備駒の強化)          →玉の退路封鎖          →質駒になる(質駒づくり) ②玉が移動する  →玉を危険地帯へおびき寄せる ③... 続きをみる

  • 【詰将棋】谷川浩司「月下推敲」第一番

    初手は▲3四桂だが、これが上部脱出の抑えとなっている角道を止めて打ちにくい。 しかし、代わりに▲3三金と打っても、△同香なら▲3二金から詰むが、△同金で詰まない。これが第一の罠。 ▲3四桂に△3三玉は、▲2二角と打ってしまうと△2四玉と逃げられて捕まらないが、▲4二銀不成△4三玉(△4四玉は、▲3... 続きをみる

  • 【横歩取り】端攻めのテクニック

    横歩取り戦法、いや「横歩取らせ戦法」と呼ぶべきか。 「内藤流空中戦法」から進化した「中座流」が、試行錯誤の末、再び「内藤流空中戦法」に回帰した。 その間、先手の方にも「青野流」「勇気流」が出現し、果ては横歩を取らずに▲5八玉とする指し方まで現れた。 しかし、古風な中住まい玉の攻略も簡単ではない。 ... 続きをみる

  • 【横歩取り】勇気流対策

    初手からの指し手 ▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △3三角 ▲6八玉 基本図 △5二玉~△7四歩の積極策 ▲5八玉とする青野流と違い△5二玉▲3六歩に△7四歩が成立する。 ▲3七桂... 続きをみる

  • 【横歩取り】△6二玉型

    ヒネリ飛車風味の△6二玉 森内俊之 九段vs永瀬拓矢 王座(ABEMAトーナメント) 元々振り飛車党だった永瀬王座にとっては、△6二玉型は違和感は少ないかもしれない。 他に振り飛車・居飛車両方指すオールオールラウンダーの黒田堯之五段も△6二玉型を好む。 端攻め 図からの指し手 △9五歩 ▲同 歩 ... 続きをみる

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