将棋備忘録

殴り書きの備忘録なので、読みづらい点はどうかご容赦を!

【中飛車】戦術書いろいろ

青嶋未来著「青嶋の結論」

序  章 相穴熊の特徴
第1章 超速
 第1節 駒組み
 第2節 △3二飛型
 第3節 △4二角型
 第4節 ▲8六角型対△6二飛
 第5節 ▲8六角型対△4二角
 青嶋の結論



第2章 一直線穴熊
 第1節 駒組み
 第2節 対袖飛車
 第3節 7筋交換型
 第4節 対△6二銀型 駒組み
 第5節 対△6二銀型 ▲2四歩~▲2八飛
 第6節 対△6二銀型 ▲2八飛
 第7節 対△5四飛型
 青嶋の結論


第3章 後手一直線穴熊
 第1節 駒組み
 第2節 袖飛車型
 第3節 3筋交換型
 第4節 対▲4八銀型
 第5節 対▲5六飛型
 第6節 対▲1六歩型
 第7節 即交換型
 青嶋の結論


終 章 将棋とチェス


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’’’ツッコミを色々’’’


p.118上図から△2八飛成はその後△2九飛成なら一手損、代わりに△5八歩くらいでどうか。


p.119上図から通常の発想は、▲7二馬△同金▲5四桂だが、盤上を広く見た攻めは参考になる。


p.136下図から端の交換がなければ、どう攻めるのか?


村田顕弘著「先手中飛車最強の証明」



第1章 5筋位取りVS右銀急戦
第2章 5筋位取りVS△6三銀型急戦
第3章 5筋位取りVS後速△7三銀型
第4章 居飛車穴熊VS先手中飛車
第5章 居飛車△5四歩型の攻防


著者の㊙研究を惜しげもなく本にしたような素晴らしい戦術書。
minorな変化に光を当てていて楽しい。
西川新手▲9八香(p.86)とか、平藤流急戦(p.87)とか、アベケン流穴熊(p.153)とか、まだ少しmajorな糸谷流右玉(p.162)とか、佐々木流△7一銀型(p.171)とか枚挙にいとまがない。
例えばp.228上にある下の図は、my研究テーマの一つで、プロの実戦例もある。



図からの指し手
▲7一角△9二飛▲8三銀△8九飛が実戦(北浜vs村山:銀河戦)の変化。
以下▲5九歩が有力で、△6二飛▲同角成△同金▲8二飛△5二金寄▲8一飛成△9九飛成▲5五桂として△5四銀なら▲2二角で優勢。以下△5一香には▲1一角成△3三角▲1二馬か。
▲5五桂に△5三香で、▲4三桂成△同金▲6八金寄△5八香成▲同金△4二金打▲6三角△6九角▲4九銀打△8七角成▲5七香△7七馬▲9一竜となって、ほぼ互角の形勢だが、8三銀の遊びが気になる。
△9二飛には▲8三飛が最善と信じる。
また、後手には△9二飛の他に△8四飛と逃げる手段もある。


cf.上村亘『先手中飛車の重要テーマ』のテーマ8(p.208) ←決定版

上のp.151下図の形勢判断ですが、後手陣は悪形なので、先手も指せる。
この形は、▲4八銀型の変化と合流する。


上のp.168上図の仕掛けでは、先手が▲2八玉に代えてもう一手早く▲3五歩と仕掛ければ、後手は△1二香の一手が入ってないので△1一玉と潜れず、△3四歩と受けるしかない。
cf.伊藤真吾『先手中飛車の最重要テーマ21』のテーマ15(p.183)



杉本昌隆著「対振り革命 中飛車左穴熊」 

杉本昌隆著『対振り革命「中飛車左穴熊」』は、 相振り飛車から居飛車模様にする作戦、その中で「中飛車(東大流)左穴熊」を中心に書かれた本です。
アマ棋界のスーパースター今泉健司さんが得意とする戦法で、数々のプロ相手に勝利を収め、プロでも菅井竜也五段が採用するなど流行の兆しを見せています。


中飛車(東大流)左穴熊戦法のmeritは、四枚穴熊に抵抗なく組めることです。
ただし、右辺が薄いので駒組みに神経を使います。
そのあたりのポイントを押さえた入門書です。


例によって「自身がある」(正しくは、「自信がある」)など、校正がきっちりされていないのが気になります。(p265)


もっと不満なのは、下図から自然な▲4六銀に全く触れていないことです。(p262)

中飛車の基本 ゴキゲン中飛車編 (最強将棋21) 

覚えることが多すぎて悩んでいるゴキゲン教の信者には良書だと思います。ただ、いささか強引すぎる手順もありますので、あくまで感覚を身につける意味で活用してください。残念なのはP139の解説。歩の数が違うのであり得ない手順だと思います。


村田顕弘五段 「アマの知らないマル秘定跡」


アマチュアにとって実戦的な序盤戦術が盛り込まれた素晴らしい本です。
ただし、p119に明らかな誤りがありましたので、ちょっと愚痴ります。

ここから△7二銀▲7七銀△8五飛▲8六銀△8四飛▲7五銀△9四飛▲9六歩という要領で飛車を圧迫して先手有利という解説ですが、▲7五銀には△8七飛成で先手投了です。
おそらくどこかで△3三銀▲7八玉という交換が入っての手順でしょうね。


この変化は、角交換四間飛車破りの大切な手順です。
屋敷伸之九段著「角交換四間飛車破り」では形勢互角となっている局面に、踏み込んで解説していることは評価できます。
好著ですね。


目次
第1章 石田流対策 中飛車左穴熊
第2章 ゴキゲン中飛車対策 ▲5八金右超急戦
第3章 ダイレクト向かい飛車対策
第4章 △3二飛戦法対策
第1節 4手目△6二玉
第2節 4手目△4二銀
第3節 4手目△3四歩
コラム(1) 無理やり石田流
第5章 後手角道オープン型四間飛車対策
第1節 三間振り直し型
第2節 角交換型
第3節 振り飛車一直線穴熊
コラム(2) 猛省に次ぐ猛省
第6章 先手四間飛車対策
第1節 角交換型四間飛車
第2節 先手四間飛車穴熊
第7章 一手損角換わり対策 急戦
第1節 ▲4六銀型
第2節 ▲2六銀型
第8章 横歩取り対策 先手持久戦
第1節 横歩取り△8五飛
第2節 △5二玉型
第3節 △8四飛型
コラム(3) 足跡を残したい