将棋備忘録

殴り書きの備忘録なので、読みづらい点はどうかご容赦を!

【相振り飛車】向かい飛車vs三間飛車

西田流△4五銀型

狙いは端攻め

この項は、将世2020.2号付録『実戦に役立つ端攻めテクニック』を参考にした。
下図は、先後逆に表示。
△4五銀から後手は理想形を構築した。
図の前の▲7五歩が少し問題だったか?
後述するが、▲8五飛と後手の攻めを牽制すべきだった。

図からの指し手

△1五歩 ▲同 歩 △1七歩 ▲同 香 △2五桂 ▲1六香

△1五香 ▲同 香 △3六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲3七歩

△1六飛 ▲2六歩 △1五飛 ▲1六歩 △同 飛 ▲1七歩

△1五飛 ▲2五歩 △2六香 ▲2七桂 △2五飛




後手の猛攻を千日手で耐える。

石井vs都成(第四期叡王戦段位別予選五段戦)より取材。


初手からの指し手
▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △3二飛 ▲7八銀 △3五歩 ▲6七銀 △6二玉
▲7七角 △4二銀 ▲8八飛 △3六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲5八金左 △3三銀
▲8六歩 △7二銀 ▲8五歩 △7一玉 ▲8四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8三歩
▲8六飛 △4四銀 ▲3七歩 △3四飛 ▲4八玉 △5二金左 ▲3八玉 △4五銀

図からの指し手
▲4八金上 △4四角 ▲2八銀 △3三桂 ▲7五歩 △1四歩 ▲5六歩 △1五歩
▲6五歩 △7七角成 ▲同 桂 △3六歩 ▲同 歩 △2五桂 ▲5五角 △4四角
▲同 角 △同 歩 ▲3五歩 △同 飛 ▲3七歩 △3六歩 ▲同 歩 △3四飛
▲3五歩 △同 飛 ▲3七歩 △3六歩 ▲同 歩 △3四飛
以下千日手


千日手では先手が不満。
先手は、図の局面で▲8五飛としたいが、放置して△3六歩が成立する。
▲3八玉に代えて▲2八銀など工夫が必要。


4五の銀を狙う▲8五飛に注意


図の△4五銀は、先手陣に圧力をかける構想の一手で、それまでは△3五銀が良く指されていた。
里見女流がタイトル戦などで指しているが、元々西田拓也四段が三段当時に指していたようだ。
「将棋世界2018.5号」p.134~に西山奨励会三段の自戦記がある。

△4五銀の狙いは、端攻め。
先手が端歩を受けた場合は、△3三角~△1五歩と攻め、先手が端歩を受けなかった場合は、突き越して図のように△4四角~△2五桂と攻める。
しかし、図の局面から岩根女流三段の▲7四歩が機敏な一手。
同歩は▲8五飛とされ、銀取りを△3五飛と受ければ▲2六歩で困る。
ということは、△2五桂では、△3六歩▲同歩△2五桂の方が安全だったか?
次に△1六香からの十字飛車を狙った攻めがうるさい。


また、△2五桂では、桂を跳ねずに△1六歩▲同歩△3六歩▲同歩△1六香▲1七歩(▲同香は、△3六飛▲3七歩△1六飛▲1七香△同飛成▲同銀△3六歩▲2八銀△3七歩成▲同桂△3六歩や、△1七歩▲3五香△同角▲同歩△同飛▲3六歩△同飛▲3七歩△1六飛▲1七銀△同飛成▲同桂△8四香という変化が考えらる。)△同香成▲同銀△同角成▲同香△2五桂▲4九玉△1七桂成▲同桂△2四飛▲2九香△1四飛▲1八歩△1六歩▲8五飛△3六銀▲3七歩などの変化も考えられる。


▲8五飛の筋には常に警戒が必要。


里見女流名人の△4五銀型

伊藤vs里見戦(第44期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負第1局)
で里見女流名人が「一度やってみたかった」と△4五銀型を選択。
1筋の端歩を突き合っていたのを見て、里見女流名人の端攻めが機敏。
次の△1三桂からの早い攻めが参考になる。
cf.「将世2018.3号」p.124~


伊藤vs里見戦(第44期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負第3局)では、図のように美濃囲いの端歩を突いていたため△4四角と飛車の横利きを止めると▲9五歩△同歩▲7四歩△同歩▲9五香△同香▲9三歩などと先攻される恐れがある。
4五の銀を狙って▲8五飛が脅威なので、△5四歩~△5五歩をついておきたい。
実戦では、里見名人は△8四飛とぶつけて局面を打開した。


下西哲伸高校竜王に

開始日時:2015/8/20
表題:第28回高校竜王戦決勝
棋戦:高校竜王戦
戦型:相振飛車
先手:下西哲伸
後手:上村友大
持ち時間:各10分
場所:福岡県福岡市電気ビル共創館
▲7六歩 △3四歩 ▲7七角 △3五歩 ▲6六歩 △3二飛
▲7八銀 △6二玉 ▲6七銀 △7二銀 ▲8八飛 △7一玉
▲8六歩 △3六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲2八銀 △3四飛
▲8五歩 △4二銀 ▲3七歩 △5二金左 ▲4八玉 △3三銀
▲5八金左 △4四銀 ▲6五歩 △3三角 ▲3八玉 △2四歩
▲4八金上 △2五歩 ▲6四歩 △同 歩 ▲8四歩 △同 歩
▲同 飛 △8三歩 ▲6四飛 △2四飛
*△3五飛とすれば先手の飛車が窮屈で後手優勢だった。
▲7五歩 △6三金 ▲6六飛 △6四歩
*△5五銀も有力。以下▲3六飛△6六歩▲同 銀 △同 銀 ▲同 角 △同 角 ▲同 飛 △2二角 ▲3六飛 △9九角成 ▲3二飛成 △3三馬と進行すると、飛車を成っても窮屈だ。    
▲8六飛 △3五銀
▲3三角成 △同 桂 ▲4一角 △5四角 ▲3二角成
*攻めを催促する好手。
△2六歩 ▲同 歩 △同 銀
*先に△2七歩だった。
▲3三馬 △2七銀成 ▲4九玉 △2六飛 ▲同 飛 △同成銀
▲2二飛 △2五歩 ▲3八玉
*決め手。
△6九飛 ▲2七歩 △同成銀 ▲同 銀 △8九飛成 ▲3六歩
△3五桂 ▲同 歩 △2七角成 ▲同 玉 △2九龍 ▲2八歩
△4四桂 ▲4三馬 △3六銀 ▲1六玉 △1四歩 ▲6一馬
△同 玉 ▲4三角
まで83手で先手の勝ち


下西君は、第33回小学生名人戦第三位。
名人になったのはアマ戦で活躍している山岸亮平君。
cf.「将世2008.7」p.156~