将棋備忘録

殴り書きの備忘録なので、読みづらい点はどうかご容赦を!

【村田システム】(その2)持久戦対策

藤井fan

対雁木


北島vs渡辺大(2025/07/24竜王戦)より取材。

渡辺大夢六段の鎖鎌銀にどう対処すべきか?

堅く受けるなら▲7七桂から雁木だが、北島忠雄七段は▲4七金とした。

これには△6五銀と交換を挑むのが有力で、私も実戦経験がある。

渡辺大夢六段は△8五銀とした。

これには▲7七銀と受けるが、角の活用が難しい。

銀を持ち合ったためバランスが難しい。

先手から▲4五歩と仕掛けるのは、△同歩▲3五歩なら△4六銀がある。

▲4五同桂△4二角▲5四歩△同歩▲6六角が一案で、△4四歩に▲5三歩△5一金▲5二銀とガリガリ食いついてどうか?

▲4五同桂に△2二角と引くのは、▲2四歩△同歩▲4六角として△4四歩には▲5四歩で勝負。△9二飛なら▲2三歩△同金▲2四角だ。

▲4五同桂に△2二角▲3五歩として△4四歩に▲5三桂成△同金▲5四銀のガリガリ攻めもある。


遡って▲4七金では▲6六歩△8五銀▲7七銀として、金を左に使った方が良かったか?



【ダンオリ】65桂短跳ねの秘儀!鎖鎌銀の対策決定版!その22【10秒×1局】24/01/08


ショーダンオリジナルの指し方講座!【実況動画38】25/12/9


六・七段を瞬で倒せる!ショーダンオリジナル【159局目】23/6/24


対相掛かり

△8一飛型

高田vs斎藤明(竜王戦)より取材。

後手は、飛車先交換を後回しにして△8一飛型を築こうという作戦。

先手は▲4六銀~▲4五銀と攻め、△3三金と角道を止めたのを見て、▲7六歩と角道を通した。

ぐずぐずしていると、後手から△8三銀~△8四銀と反撃されるので主導権を渡したくない。

図から後手が仮に△4四歩と銀を追うと、▲3六銀とされて角の活用が難しくなる。

△6四歩に▲5五歩△6三銀▲5八金と進展。

ここで後手は△4四歩と突き▲5六銀と5筋の位を確保して好形を築いた。

中住まいに対しては、図のように手厚く組んで、▲6五歩からの桂交換をねらうと作戦勝ちになる。

そこで後手は跳ね違いの手筋で対抗、以下▲4五歩にも△同桂と応じ、▲4六歩と桂損するが、△6四歩から桂の取り合いで勝負だ。

▲4五歩は相手の遊び角に働きかけるので気が進まない攻めだが、▲8六歩は△6四歩とされ▲8五歩には△8六歩と垂れ歩の手筋を食らう。▲8五歩では▲5三桂成△同金▲8七金が一案だが、△1三角の反撃や△8四歩といった手が気になる。

▲4五歩は仕方ない攻めのようだ。

△7七桂打が斎藤五段の狙っていた手で、角を活用できたため生じた筋だ。

桂金交換は必然で、△3三銀(図)に攻めるかそれとも守るべきか。

図から▲4四桂も魅力ある攻めだが、高田五段は▲8六歩と受けた。

もし先手が斎藤五段なら迷わず▲4四桂と攻めただろう。以下△同銀▲同歩△8七飛成に▲7八銀と竜を追う。△7六竜なら▲6八桂と先手を取って▲4三銀打ちを見る。△8一竜なら先の銀打ちの他に▲5四歩も気持ちの良い一手で、△6六桂の反撃が気になるかもしれないが、▲同角△同歩から攻め続けてどうか?

桂を渡すと△6六桂があることを気にして実戦は▲8六歩と受けたが、問題だったか?

△4三歩▲6五銀△6四歩▲5六銀と手厚く構えたところに△8八歩という妙手があった。

▲7八玉としても9筋の突き捨てから△8九歩成▲同玉△8七金といった攻めがある。▲6八角なら△8六金▲7八玉△8八歩といった要領で攻める。

▲8六歩は薄い受けだった。

▲7八玉△4三歩▲6五銀△6四歩といった進行なら先手の構えがしっかりしていた。


△4二銀を急ぐ

高田vs斎藤戦のようになると、△3三金型にされるのが不満。△4二銀~△3四歩として▲4五銀に△3三銀と形よく受けたい。

下図のような形が想定されるが・・・

△6五歩と位を取った後手の狙いは。下図のような棒銀。

後手が主導権を握った形。

図から先手が▲3五歩と攻めても△4四歩とされ、▲5六銀と下がるのでは元気が出ないので、▲3四銀や▲3四歩と攻めたいが、銀交換は△7六銀があるので工夫が必要だ。

▲3四歩△4五歩▲3三歩成△同角▲2二歩△同角▲3四銀が一例だが、△4六歩と反撃されて△8六歩からの十字飛車や△1三角があるので取りづらい。かといって▲5七金と逃げるのは、△5五角と捌かれて、△3六角の筋があるので先手からの攻めがヒットしない。


▲3六歩を突かずに▲4六銀とするのがポイントだが、仮に突いてしまった場合、▲3五歩△同歩▲同銀と仕掛けてどうか?

▲3五歩△同歩▲同銀に△8六歩▲同歩△8五歩が気になるが・・・

▲7九角△8六歩▲8八歩で受かるのが▲6八銀型の利点。

ただし、△8七歩成▲同歩△8六歩という継ぎ歩攻めがあるので注意が必要だ。


▲3五歩と突かずに▲4五銀とするのは、△3三金▲7六歩△4四歩といった進行が想定される。

▲4四同銀△同金▲2三飛成△3二銀打▲2二竜△同銀▲4四角とすれば駒損を取り返せるが、好んで飛び込む変化ではない。

対腰掛け銀

野原未蘭 女流初段 対 加藤桃子 女流三段
開始日時:2023/05/29 10:00:00
棋戦:倉敷藤花戦
場所:東京・将棋会館
持ち時間:2時間
▲2六歩 △8四歩 ▲4八銀 △8五歩 ▲7八金 △6二銀
▲6八銀 △3二金 ▲5六歩 △6四歩 ▲5七銀右 △6三銀
▲2五歩 △3四歩 ▲6六歩 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛
▲8七歩 △8二飛 ▲7六歩 △4二銀 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △2三歩 ▲3四飛

横歩を取って積極的に先手番の良さを求めた。

良い判断だったと思う。

普通に飛車を引くと雁木対腰掛け銀の将棋になるが、下図のような局面が想定され、先手番の得は消えている。 

後手としては、△4一玉▲2八飛△2三歩の展開なら無難だが、横歩を取らせてその飛車を△4四角と狙おうという作戦。


図からの指し手

△4一玉 ▲3六飛 △4四角
▲4六銀 △5四銀 ▲5五歩

▲5五歩が好手で後手の狙う飛車いじめは失敗。

しかし、△同銀に対する▲5七銀では▲3五銀△2二角▲2六飛と積極的に指したかった。


図からの指し手

△同 銀 ▲5七銀引 △2二角
▲5六歩 △4四銀 ▲2六飛 △4五銀 ▲6九玉 △3一玉
▲2五飛 △5四銀 ▲4六銀 △4四角 ▲3六歩

 

先手の飛車が生還して後手失敗感はあるものの、ここで△3四歩は消極的過ぎた。

△6五歩と仕掛けて後手が指せる分かれだった。


図からの指し手

△3四歩
▲2八飛 △2二角 ▲3五歩 △同 歩 ▲同 銀 △4五銀
▲4六歩 △3六銀 ▲3八金 △8五飛 ▲2六銀 △2四歩
▲3七歩 △2五銀 ▲7七桂 △8二飛 ▲2五銀 △同 歩
▲同 飛 △2三歩 ▲6七銀 △1四歩 ▲9六歩 △9四歩
▲9七角 △1三桂 ▲2八飛 △9五歩 ▲6四角 △9六歩
▲6五桂 △9七歩成 ▲同 香 △同香成 ▲同 角 △9二飛
▲9八歩 △6四歩 ▲2七香 △2五香 ▲同 香 △同 桂
▲5三桂成 △同 銀 ▲2五飛 △6五桂 ▲3六香 △7七銀
▲6五歩 △7八銀不成 ▲同 銀 △5七歩 ▲4八金 △3三香
▲4五桂 △3六香 ▲5三桂成 △3七香成 ▲同 桂 △9七飛成
▲同 歩 △3六角 ▲6八玉 △5八金 ▲7九玉 △2五角
▲同 桂 △3九飛 ▲4九香 △4八金 ▲4二銀 △2一玉
▲3三歩 △4九飛成 ▲8八玉 △3一歩 ▲5五角 △4二金
▲同成桂 △7九銀 ▲7七玉 △6八銀不成 ▲同 玉
まで131手で先手の勝ち


対腰掛け銀は、▲5五歩が利くので怖くない。

対矢倉

嬉野流の項でも述べたが、矢倉相手には二枚銀が効果的と考えている。

▲7六歩の一手を省略できるので足が速い。

△4五歩▲同銀△3五歩には▲5五歩とできるのが二枚銀の良さ。

3筋と同時に中央を狙っている。

手順に8筋を交換して△6四角と飛車取りに引いたが、▲5五歩と今度は中央に転戦する。

△同歩には▲5八飛と居玉をとがめる。

△4一玉には▲5五銀△4二角▲7六歩とついに眠っていた角が働いた。

二枚銀と飛車角の攻めは迫力十分。

受けきれないと見た後手は、△8六歩▲同歩△8七歩▲6六角△8六飛と反撃してきた。 

▲3四歩△同銀▲4四銀としても優勢だが、継続手が難しい。

▲2四歩△同歩▲2二歩が手筋の攻め。

△2二同銀には▲4四銀、△▲2二同金にも▲3四歩△同銀▲4四銀と攻めが続く。


図からの指し手

▲2四歩 △同 歩 ▲2二歩 △5七歩 ▲同 飛 △3四歩 

▲4四銀右 △同 銀 ▲同 銀 △同 金 ▲同 角 △5三銀打 

▲7七角 △7六飛 ▲2一歩成 △5六歩 ▲5九飛 △8八銀

ここで▲6一銀などと攻めても続かない。手駒が乏しい後手を喜ばせるだけだ。

▲8七金から受けるに回るのが手堅い勝ち方。

手がなくなった後手は投了するしかない。


図からの指し手

▲8七金 △7七銀成 ▲同 金 △7四飛
▲5六飛 △2七角 ▲5九金 △4五角成 ▲8六飛 △8四歩
▲7五歩 △5四飛 ▲4六銀 △3六馬 ▲3七金 △1四馬
▲5五銀打 △同 飛 ▲同 銀 △3三角 ▲6六銀 △2八銀
▲4六金 △2九銀成 ▲4五桂 △4四角 ▲8四飛
まで89手で先手の勝ち

対矢倉△3二銀型

著書「村田システム」には村田顕弘プロの後手番オリジナル戦法が掲載されている。
▲7六歩△8四歩▲6八銀に△8五歩▲7七銀と決め、角頭は△3二金でなく△3二銀と守る。
左美濃に囲うのが狙いだ。
角道を開けないことからこれも「村田システム」。
相手が矢倉模様の時には先手番でも使える。


下図は、私の実戦。(便宜上先後逆に表示)
▲6五歩を嫌って△7三桂を急いだため、▲3五歩と角道を開く手を牽制された。
 

図からの指し手
△5二飛 ▲5七銀 △5五歩 ▲同 歩 △3四歩 

先手玉が居玉なのが狙い目。


▲3四同歩に△5五角として▲1八飛(▲4六歩は△同角)に△5四飛と3四の歩を狙う。これを受けようと▲4六銀は△同角(笑)だし、▲5六歩も△3四飛が先手。


左美濃の堅陣が心強い。



対角換わり5筋位取り(広瀬vs渡辺)

断っておくが、渡辺前名人がこの戦型を採用した当時は「村田システム」という名前はなく、角換わり後手番の息苦しさを考えて、独自の研究で採用した戦型だった。

タイトル戦での前例もある。


図は便宜上先後反転表示。

誰がオリジナルかという議論はさておいて、渡辺明九段の序盤センスは素晴らしい。

ここから5筋のクライを取って、後手番ながら主導権を握っていく。 

図からの指し手

△6五歩 ▲同 歩 △8六歩 ▲同 歩 △7三桂 ▲5五歩


先手の広瀬九段が▲5六歩と動いたのは少し意外だった。

この歩に対しては、次に相手が▲5五歩と取ってくれれば自然に△5五同銀と前進できるから通常は実戦の手順のように、放置して歩の突き捨てから右桂を活用したいところ。

しかし、平凡に△5六同歩と取って▲同銀に△8六歩▲同歩△7五歩と角頭を攻める順が有力だった。

以下▲同歩なら△7六歩▲8八角△6五歩と角のラインで攻めるのが厳しい。

△7六歩の利かし一本が大きいのだ。

図からの指し手

△同 角 ▲同 角 △同 銀 ▲8八角 △4四銀 ▲2二歩

△同 金 ▲4六歩


図の局面で角で取ったのも意外だが、△同銀▲5六歩とされ、△6六歩は無理そうなので△4四銀と引くことになるが、元気が出ない順だ。

しかし、△同角にも▲同角△同銀▲8八角とされると△4四銀と引くことになり、▲2二歩△同金▲4六歩(下図)と後手の駒に勢いがついてきた。

図からの指し手

△3二玉 ▲2四歩 △同 歩 ▲4五歩 △3三銀引 ▲2五歩

△同 歩 ▲3五歩 △同 歩 ▲2五桂 △2四銀 ▲2三歩

△1二金 ▲3四歩 △2三玉 ▲4四歩 △8六飛 ▲4三歩成

△同 金 ▲3三歩成 △同 桂 ▲同桂成 △同銀上 ▲2五歩

△1五銀 ▲1六歩 △3六桂 ▲2七飛 △4八桂成 ▲1五歩

△3六角 ▲2四銀 △3二玉 ▲5七飛 △5四歩 ▲3三銀成

△同 金 ▲5六飛 △5八成桂 ▲同 銀 △8八飛成 ▲同 金

△6七銀

まで90手で後手の勝ち


しかし、好調に見えた▲2二歩は指し過ぎだったかもしれない。

歩を渡したため、後手から△8五歩▲同歩△8六歩という反撃が残ったからだ。

図から△3二玉とされ、先手は継ぎ歩で攻めたが、意外に効かなかった。